第1535回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】

第1534話 ヒットラー外交政策の事。2016年6月6日月曜日の投稿です。





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   ヒットラーは続けて申し立てを行ったのです。

  「  我 ドイツのルール地方を占領しているフランスを今すぐにでも、攻撃して

  追い払うべきである。 」

  「 やつらは、 ドイツ人をこき使い、 石炭を持ち去り、 フランスの言いなりに

   なるのは良心がとがめると、反発するドイツ人を、広場で処刑し、見せしめに

   して、 金めのものを、フランスに持ち去っているのである。」

   

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  みなさんに当時の状況をお話しすると、 フランスはドイツ経済が破綻して

 第1次世界大戦の賠償金の支払いが滞ると、密かに軍勢を国境に集めて

 ドイツの工業地帯、 ルール地方に侵入し、この地方を占領してしまったのです。

 当時のヴァイマール共和國は、応戦することなく、外交で解決しようとしたのですが、

 フランスは、へのそうろうで、 どんどんその地方の支配を強めていったのです。



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  このルール地方は、ドイツの当時の主要燃料の石炭の産地で、炭鉱があって

フランスは、この炭鉱を占拠し、 石炭をフランスに持ち帰り、 賠償金が払えない

なら、石炭を没収するとドイツ側に言い放ち、 炭鉱で仕事をしていたドイツ人が

ストライキで対抗すると、 指導者を広場に集めて、見せしめで処刑し、 圧力を

かけていったのです。



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   当時のヴァイマール共和國のエーベルト大統領達は、手をこまねいている

 だけで、 これらの国難をどうすることも出来なかったのです。

 当時、 外交で解決すると言っても、 力のない国には誰も耳を貸さなかったの

 です。



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  ヒットラーは続けて申し立てしたのです。

  「 どうして、 ストライキ屋のエーベルトは何もしないのか、 殺された愛國者の

  ドイツ人の魂はどうなるのか、 今すぐにでもドイツ男子は剣を取り、小銃を

  持って、理不尽に立ち向かわなければならない。」 と、 叫んだのです。




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           【当時のヴァイマール共和國のエーベルト大統領 】




当時のドイツ政府は、戦争をするお金が経済破綻して無かったのです。

そして、 外交の話し合いでフランスの撤退を懇願したのですが、 各国からは

つい数年前まで殺しあいをしていたドイツに味方する国は無かったのです。

つまり、 「 賠償金を支払わないドイツが悪いではないか、石炭の物納も

やむおえないではないか。」と、 こんな返事しか返って来なかったのです。



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  新聞でヒットラーの「ルール地方への軍を出して、フランスを追い払うべし。」

と言う申し立てを読んだ人達は、「 そうだ、 総統の言う通りだ。」 と、こう考える

人が多かったのです。

 なにも罪の無いドイツ人が、広場で処刑され、 多くの人が炭鉱でこき使われて

いると聞いて、 なにもしない当時のヴァイマール共和國の政府に愛想をつかして

行ったのです。


       【 明日に続く。 】