第1536回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】

第1535話 政権を批判するヒットラーの事。2016年6月7日火曜日の投稿です。





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             【 ドイツのルール地方に進駐する フランス軍 】


   当時、ドイツの戦後賠償金不払いを口実に、ドイツのルール地方の炭鉱地帯

 にフランス軍が進駐し、 ドイツ人に対して理不尽な行為を繰り返し、 時の

 ヴァイマール共和國のエーベルト大統領達は、国民に目に見える形での成果が

 あげられず、 放置したようになっていたのです。




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          【  当時のヴァイマール共和國のエーベルト大統領 】


 政権側からすると、戦争をする金はない、武器を取って戦っても、 当時のフランス

 とドイツが戦争をすると、部分的に勝利してもいずれ負けることはわかっていて、

 ドイツ国内を戦場にするような事は、 避けなければならないと考え、もしそのような

 行為に及べば、ドイツの一般市民に多数の死傷者が出ると予測して、軍事行為

 には慎重であったのです。 




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     ヒットラーは、ミュンヘンの裁判の法廷で、これらの事柄をあげて、

    当時の政権の批判を繰り返したのです。


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    みなさん、当時ドイツ人にとって石炭というのは、 戦後の現在で言う、石油

    に等しかったのです。

    石炭によって、鉄道が動き、石炭によって、工場が稼動し、 家庭のストーブ

    も石炭によって燃やされていたのです。

    日本でも、九州や、北海道で炭鉱がありますが、当時は黒いダイヤと呼ばれる

    貴重な燃料資源であったのです。



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    日本に例えてわかりやすく説明すると、九州の炭鉱地帯に外国の軍隊が

   攻め寄せ、占拠し、 日本人に強制労働させ、石炭を持ち去り、反発する

   日本人がストライキを行うと、 見せしめで、 それらの指導者を広場で処刑し、

   それらのことを当時の政府が放置していた場合、 国民としてどう思うでしょうか

   大方の人が、「 何をやっているんだ。」 と、こうなっていくと思います。



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     ヒットラーは続けたわけです。

    「 エーベルト政権は、選挙で選ばれた公正な政権と言うが、 我々は投票

    した記憶もなく、 いったい いつ選挙が行われたのか、 ベルリンで選挙を

    したそうだが、 ドイツ国民はベルリンの住民だけなのか、そうではないはずだ

    このような政権は早急に終わらせ、 新しい ドイツ民族だけの国家を造る

    必要があるのである。」 と申し立てたのです。

    これらのお話を新聞記事で読んだ ドイツの人達は、「 その通りだ。」と

    同調する人が多かったのです。



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 そして 裁判は核心部分、 どのようにして 国家社会主義ドイツ労働者党の

面々が、広場に集まり、 そしてデモ行進をして、死者が出ていったのかという

事件の核心部分を問う質問になって行ったのです。

ここでも、ヒットラーは持論を展開していったのです。



    【 明日に続く。】