第1537回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】


第1536話 裏切者を糾弾するヒットラーの事。2016年6月8日水曜日の投稿です。






 1924年 大正13年の3月初旬、 裁判長は、被告人 アドルフ ヒットラー

に対して尋ねたのです。


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「 主任検事の申し立てでは、被告人は自らの権力欲を満たすために、いろんな人を

監禁し、銃器を突きつけて、脅迫し、 大勢の人を煽動して反乱を起こしていったと

ありますが、まず、 被告人に脅迫されて、監禁されたと申し立てしている カール

バイエルン州総督や、 ロッソウ 陸軍第7師団長などの申し立てについて、被告は

追認しますか、それとも 否認しますか。」 と、問いかけたのです。



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   ヒットラーは、沈黙して、その後 しばらくして、「 その申し立ては失当である。

   世は、あの連中に、懇切丁寧に語って聞かせ、 ベルリンへのデモ行進の話を

   すると、 3人ともおおいに賛同し、 参加を約策したのである。

    その後、 彼等と別れ、3人とルーデンドルフとリヒターは、翌日の打ち合わせを

   すると称して、5人で部屋の中で打ち合わせをしていたが、 世がその部屋に

   数時間後に戻った時は、3人は部屋にいなかったのである。

   「 3人はどこに行ったのか。」と、 ルーデンドルフとリヒターに問うと、

   「3人とも明日のデモ行進に参加する準備のために庁舎に戻った。」と言う、

   そして3人とも 「ルーデンドルフに対して、ドイツの騎士の誓いを立てて、

   帰った。」とルーデンドルフから聞いたのである。」と申し立てたのです。




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   ところが 翌日になると、 彼等は ドイツの騎士の誓いを破り、武器を持たな

   いデモ行進中の我々に、 彼等の方から発砲してきたのである。」とヒットラー

   は申し立てを行って行ったのです。



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【 ヒットラー達に責任転嫁を繰り返し無罪を主張していたルーデンドルフ陸軍大将 】



      ルーデンドルフ 元陸軍大将は、 「すべてヒットラー達か仕組んだことで、

      私は呼び出されて、拳銃で脅迫され、仕方なしにデモに加わった。」と

      申し立てを行っていたのですが、 実は、自らが カール総督などに、一揆

      への参加を呼びかけていた事が法廷で明らかになって行ったのです。


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    そして、 武装蜂起して内乱を起こそうとしたなどと、新聞記者に情報を

   リークしていた、カール総督などは、 ルーデンドルフにドイツの騎士の誓いを

   立てて、デモ行進に参加する約束を裏切り、 そして、ヒットラー達は武装蜂起

   ではなく、 実は丸腰で、平和的に 道路上をデモ行進していたことが、裁判

   であきらかになって行ったのです。



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   つまり、ヒットラー達は、武器を持って 武装蜂起して、多くの人を殺傷して

    ーーー云々と言うのは、カール総督達が流した、ヒットラー達を悪人にする

   デマであったことがわかっていき、 実は ヒットラー達は 丸腰で平和的な

   デモ行進をしている最中に、警察がカール総督の命令で 丸腰のデモの

   参加者に一斉射撃を行い発砲していった事件の顛末が明らかになって

   行ったのです。



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    そして、これらの裁判の記事を読んだドイツの人々は、「 騎士の誓いを

    立てながら 裏切ったあげく、 丸腰で武器も持たず、平和的にデモ行進して

    いる 国家社会主義ドイツ労働者党の面々に一斉射撃をして発砲するとは

    発砲した方が、殺人罪に該当するではないかと、 ヒットラー達に同情する

    世論が起こっていったのです。


    【 明日に続く。】