第1539回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】

第1538話 ヒットラーを国外追放せよの事。2016年6月10日金曜日の投稿です。





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    【 当時 ヒットラーの研究をしていた 神 重徳 連合艦隊首席参謀】



  連合艦隊首席参謀であった 神 重徳 海軍大佐に、「 でっ ヒットラー

裁判ちゅーのは、どないなったんでありましょうか。」と、私がお伺いすると、

実家から送られてきた 薩摩焼酎を ちびり、ちびりと口に運び話を続けられた

のです。



  
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   ベルリンの中央政府からは、「 ヒットラー達を見せしめで極刑にせよ。」

  と言ってくるし、 カールバイエルン州総督も、 それを追認する形で、「裁判は

  形式だけ行い、後は理由をそれらしくつければよい。」と言うのですが、

  大きな問題となったのが、 裁判所の事務官や、書記官達が、ヒットラーに同調

  してデモ行進に参加していたのです。

  ヒットラーにあること無いこと理由をつけて処刑すると、多くの身内を処断する

  必要に迫られていったのです。



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  そして、裁判官達は公正な裁判を行わなければ、バイエルンの法と秩序が

  崩壊すると申し立て、 そして一緒に参加していた 事務官と書記官達は、

  ヒットラーの助命嘆願を始めたのです。

  そこで、 国家社会主義ドイツ労働者党の面々をどうするかという事は当時の

  バイエルン州のフランツ ギュルトナー法務大臣の判断を仰ぐことになって

  行ったのです。



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         【 当時のバイエルン州法務大臣 フランッ ギュルトナー 】


  ヒットラー達を処刑すると、反発する人達の第2、第3の一揆が発生する恐れも

  あり、 そうかと言って、ベルリンのヴァイマール共和國のエーベルト大統領達

  の意見を無視する訳にもいかず、 思いをめぐらせていると ある法律を思い

  出したのです。

   その法律とは、「 外国人滞在者が罪を犯すと、本国に強制送還する。」と言う

   バイエルン州の法律であったのです。

   

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    ヒットラーの国籍は、 当時 オーストリア国籍になっていたので、本国送還

    すれば、両方の妥協が得られると考え至ったのです。

    そして、 となりの国境を越えた、旧 オーストリーハンガリー帝国のあった

    オーストリー外務省に、 ヒットラーの強制送還の話が打診されていったの

    です。



    【 明日に続く。】