第1540回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1539話 ヒットラーを追放せよの事。 2016年6月11日土曜日の投稿です。






イメージ 1


          【 当時のバイエルン州のフランツ ギュルトナー法務大臣 】



  当時のバイエルン州【 旧バイエルン王国】の ギュルトナー法務大臣は、

熟慮した後、 アドルフ ヒットラーを バイエルン州の法律にもとずき、国籍のある

隣国のオーストリアに強制送還することに決定し、 ウィーンのオーストリア外務省に

ヒットラー引き渡しについて打診したのです。

ベルリン政府には、ヒットラーが人殺しなどを自ら手を下していないので、申し入

れのあった極刑には出来ないが、国外に追放することで、2度とドイツ国内に入国

できないようにして、 体面を保とうとしたのです。




イメージ 2




それから、裁判官達も、 バイエルンの法律に元図いての決定のため、法の秩序

が保たれて、体面が保つ事が出来、 そして、ミュンヘン周辺のヒットラーの支援者

にも、ヒットラーの命を救うことで、 国外追放という処分に世間の納得が得られると

考えたのです。  


イメージ 3



   ところが、ヒットラーの母国のオーストリア外務省は、ミュンヘンの裁判の事を

 掌握していて、ヒットラーオーストリアに入国すると いずれ騒動を起こすに違い

 ないと考えたようで、 ヒットラーを逆に、機先を制して 国外追放処分を発表した

 のです。




イメージ 4




  ヒットラーがこの世に誕生した頃、 母国 オーストリーハンガリー帝国は巨大な

 帝国国家で、周辺国をどんどん侵略していたのです。

 ところが、 占領地を視察に出かけた皇太子夫妻が、セルビアで爆殺され、第1次

 世界大戦の始まりの原因となっていたのです。 




イメージ 6



          【 殺害された オーストリーハンガリー帝国 皇太子夫妻 】



 オーストリーハンガリー帝国の王室と、ドイツの王室は親戚同士で、 このような

 事から、ドイツ帝国オーストリーハンガリー帝国は、一緒に同盟を結んで

 第1次世界大戦を戦ったのですが、 敗戦してしまい、 国土は戦勝国

 連合軍によって、分解分割されてしまったのです。



イメージ 5


 

  そのような 混乱の中、アドルフ ヒットラーが 国内に帰国し、 また、演説を

始めると多くの人が惑わされ、 とんでもない事が起きるに違いないと考え至った

ようです。



イメージ 7




   結局これらの外交上の拒否解答で、ヒットラーを国外退去処分にする処分

   案は消えていったのです。

   戦後、多くの西ドイツの歴史研究家や、世界の研究家が、ヒットラーをドイツから

   法律通り追放しておけば、 第2次世界大戦は起きず、 平和が続いたものを

   ところが当時のミュンヘンの裁判官が おかしな判決を決定したおかげで

   ドイツは暗黒の世界に沈んでいったと批判する人が多いのですが、当時は

   そのような事はわからず、 元の木阿弥に戻ってしまい、 ゼロから考え直す

   事になっていったのです。


   【 明日に続く。】