第1543回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語】
第1542話 ナチ党禁止令の事。 2016年6月14日火曜日の投稿です。
見せかけの裁判で処刑し、バイエルンの大掃除を企んでいた、ベルリンの
ヴァイマール共和國政府首脳を失望させた出来事であったのです。
極力発言を自由に行って、開かれた裁判となったことに満足する人も多かった
陸軍第7師団を統帥する、ロッソウ陸軍少将らが、ヒットラー達に加担していた
事実が 新聞記者によって報じられ、都合の悪い記事を書かれ、 それを読んだ
ベルリンの中央政府から、説明を求められる騒ぎとなって行ったのです。
【 カール バイエルン州総督 】
そして、カール総督は、自らはヒットラー達に関係がないようにベルリン政府に
アピールするため、 国家社会主義ドイツ労働者党の活動を禁止する発表を
行い、 それらしい行動を行う党員や支持者の取り締まりを警察に命じる命令
を発令したのです。
世界の権力者の目で見ると、カール総督はツメが甘かった、 殺そうと思っても
世間の目があって、それが出来なかったのかも知れません。
レーニンの語る所の、「 すべての物を破壊し、 すべての命を絶ち、そこから
新しい物が生まれていく。」 「 人の命を絶つと、すべてがそこで終わり、後の
災いの種が消滅するのだ。」 という言葉が語るように、 ヒットラー達を
殺し損ねたことが、 数年後、自らが斧で体をバラバラにされ処刑される
事件につながっていったのです。
【 ヴァイマール共和國の影の支配者 ゼークト上級大将 】
そして、当時、 ベルリン政府の高官達も、まさか9年後の1933年に
ヒットラー率いる ナチ党が、国会で第1党となり、政権の座に座るとは
想像する人はいなかったのです。
【 当時のバイエルン州の フランッ ギィルトナー法相 】
ヒットラー達の死刑に反対した ギィルトナー法相は、自らも軍の将校として
欧州大戦に従軍し、 遠くパレスチナの地で祖国の敗戦を聞いてドイツに帰国
戻さないと行けない、 経済を立て直し、金融を安定化して、 侵略してくる
フランスやベルギーの軍隊をなんとか 追い払わないと行けないと考えていた
ドイツの退役将校の1人であったのです。
それには、ドイツ人同士で、諍いから争い事を無くし、ドイツ人が団結して
外敵を追い払わないと行けないと考えていたのです。
そして、 考え出したのが、 カール総督がナチ党こと、国家社会主義ドイツ
労働者党の活動を禁止し、規制して、 ナチ党の支持者が 次の暴動を起こさ
ないようにヒットラーの周辺にある普通の受刑者とは違う細工を施していったの
です。
【 明日に続く。】