第1766回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】

第1765話 幸 顕栄の事。  2017年3月22日水曜日の投稿です。




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   台湾総督府は、基隆【キールン】と言う町の 石炭と砂糖を商っていた当時

 29才の 幸 顕栄 【コゥ ケンエィ】 という商人に、台湾総督府が、特権を

 与えるので、 つまり、台湾総督の御用商人の立場を与え、 商いなどを

 する場合、 利益優遇するので、大日本帝国に協力し、台湾人の親日グル

 ープを組織して、宣撫工作活動の先兵になってほしいと要望し、彼も条件が

 よいのでそれを受けたようです。


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                 【 こぅ けんえい 貴族院議員当時】


  この コゥ さんと言う人は、 中国大陸の清国人から見ると、日本人に協力

した裏切り者で、 日本人から見ると、台湾の協力者で、 台湾の人から見ると、

台湾での戦争を早く終わらせ、 人々に戦争の不徳を説いて周り、和平に尽力し、

その後、台湾の代表者として、日本政府との窓口として活躍した人でした。

これらの仕事は命がけの仕事で、 当初は、大日本帝国に台湾を売り渡す

売国奴と称され、 命を狙われる存在であったそうです。



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  彼が行った事というのは非常に大切な事で、 現地の台湾語で張り紙をして

 広報活動を行ったり、 近衛師団が進む前に、先陣として行商人として、敵地

 に挺進し、偵察活動に従事したり、 地域の有力者に面会し、清国の部隊を

 裏切って、日本側につくよう説得したりと、 多いに活躍することになっていった

 のです。 

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    その後、彼は、 台湾総督府から仕事を一手に引き受けて、 それを台湾人

  の商人の組合に丸投げして、 手数料を取り、 大金を作って、 その資本で

  密林を開墾して、サトウキビ畑、たばこ畑、 塩田、樟脳事業などを整備し、大地

  主になっていくのです。

  そして、 台湾人で 唯一 貴族院議員に内閣から指名されることになっていく

  のです。

  台湾総督からすると、 兵力を使わずに、 かれら台湾人の行商人を台南

  に送り込み、偵察させ、相手の様子を探り、そして、その地域の台湾人を

  調略し、 日本に味方するよう工作を行う 台湾人部隊であったのです。

  彼等の活躍があり、 日本側は多いに助かっていったのです。


  【 明日に続く。 転載、コピー可 自由。】