第2011回 昭和の伝道師 【戦中、戦後のパイロットの物語 】
第2010話 甲申事変【こうしんじへん】 清、英の北京ノ極秘会談の事。
2017年12月15日金曜日の投稿です。
【 前話の続きから。】
での和平交渉を行っていた当時、 少し離れた北京では、 にわかに、西太后
の特使が、北京の英国公使館を訪れ、 先に亡くなった、故 パークス公使
の代理をしていた代理公使と会談に及んだと言われています。
【 当時の北京のイギリス公使館 】
会談の内容は、 1885年4月15日 つまり、数日前にイギリス海軍
東洋艦隊が 突如、 武力制圧した 朝鮮半島の巨文諸島からの撤退を
求める特使であったと言われています。
【 明治18年 イギリス海軍が制圧した 巨文島 】
違反で、すぐ撤退して 島々を大朝鮮国に返すように求めたそうです。
ところが、驚いた事に、「 ワタハタチハ、 アナタタチノイウコトハ、ショウチ
シテイマース、 スグニデモ、 カエシテアゲマース ト イイタイノデスガ
ソレハデキマセーーン。」 と言う、 どうしてかと問うと、「 ヒトツダケ ジョウ
ケンガアッテ、 ロシア ガ アソコヲ センキョシヨウトシテイマース、 ワレワ
レハ、 アソコニ ヨウサイヲツクッテ ロシアカラ ボウエイシマース。」 と言う。
清国の特使が、「 そのような事を行ってもらっては困る。」と言うと、「 ワタ
シタチハ、 ツヅケテ チョウセンハントウニ カンタイヲ テンカイシ チョウセン
ハントウヲ センリョウスル ツモリデース。」 と言う、 「 シカシ、 シンテイコクガ
ロシアニ チョウセンハントウヲ ワタサナーィ ト ヤクソク スレバ イマ スグニ
デモ ワタシタチハ テッタイシマース。」 と 申し立てたそうです。
北京の清国政府を驚かした、 イギリス公使館の情報とは、 ロシア政府が、
大朝鮮国のある人物から、 巨文島を買い受け、 ここに ロシアの軍港と要塞
【 当時 ロシアが巨文島を買い求め、 ロシア領にする予定であった。】
を構築して、ロシア領にするため、 ロシア艦隊が到着する前に、急遽、イギリス
は艦隊を派遣して、 占拠して それを未然に防いだというのです。
【 元山港とその周辺の土地をロシアに売却する話が隠密に進められていた。】
そして、更に驚いた事に、 朝鮮半島の 元山港付近を ロシアに売却する
交渉が進められていて、話がもうすぐまとまるらしいとの情報を得ていて、もし
そんなことになれば、英国は さらに 朝鮮半島に武力侵攻し、 それを防がね
ばならないと言う申し入れであったのです。
当時、イギリスと ロシアは、現在のイランの上のアフガニスタンで、武力衝突
朝鮮半島を買い付けて、 進出してきたら、迷わず、攻撃を行うとの話であった
のですが、 当時の清国政府はこのようなお話しは寝耳に水であったようで、
全く知らなかったようです。
【 袁世凱将軍 】
が日本人と一緒に 反乱を起こして、大きな騒動に発展した 甲申事変に隠れて
ロシア帝国と、 巨文島を割譲交渉し、 そしてさらに、元山の港と その周辺を
ロシア帝国に売却する交渉が密かに進められていると知り、多いに驚き、隠密に
調査を開始したようです。
そして、彼等が1番にその動向を調査したのが、 大朝鮮国の首都 漢城
公使であったと言われています。
当時、イギリス帝国が言うように、本当に ロシア帝国に 朝鮮の島や、土地を
売り渡す交渉が行われていたのかは、よくわかっていなかった、関係者のみの
極秘情報であったのですが、 ロシア帝国に入り込んでいる イギリスの情報
部員の諜報活動でわかった事実として、 多いに関係者に衝撃を与えたそうです。
当時、朝鮮政府要人が、清国人を朝鮮半島から追い払うために 密かにロシア
政府と交渉して、 領土を売却し、得た資金で ロシアから兵器を購入し、ロシア人
を利用して、清国人を追い払おうとする 陰謀が進められていたと言われています。
この計画、 当時 だれが黒幕か 清国側も、日本側も まったく情報が無かった
のです。
【 次回に続く。】