第2014回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】

第2013話 甲申事変 【こうしんじへん】 袁世凱将軍の計略の事。


                      2017年12月18日月曜日の投稿です。



      
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                  【 袁世凱  えんせいがい将軍 】


【前話の続きより。】


   袁世凱将軍は、 いろんな情報から、ロシア公使婦人が夫のロシア公使の

つなぎ役で、ウクライナ人の建築家 セラディン サバティンが、メレンドルフ 外務

協弁の代理人で 、 その後に朝鮮王宮の誰かが、メレンドルフを動かして利用して

いる人物がいるに違いないと考えて、 ある 計略をめぐらせていったそうです。



   欲檎姑縦の計 【 よくきん こしょうのけい】 と言う計略を用いたそうです。


 よくきん こしょうのけい と言うのは、どんな計略かというと、 「相手を捕らえる

 ことを欲するならば、まず 逃がせ。」と言う計略であったそうです。


  袁世凱将軍は、 大朝鮮国政府の 左議政であった 金 弘集と密かに密談し、

清国側に立つのか、 ロシア側に立つのか、 はっきり態度を決めるように迫り、



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                  【 大朝鮮国 左議政 金 弘集 】


 驚いた、 左議政 金 弘集は、「 元山の周辺をロシア帝国に割譲するなど、

 愚かな事、 その先 どうなるか 考えると、 朝鮮半島をロシアに引き渡すような

 事です。」 と、 清国の袁世凱将軍に 同調したそうです。


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      【 当時 密かに 元山港 周辺をロシアに売る工作が進んでいた。】



 金 弘集氏から見ると、 やっと 朝鮮半島から、 清国と大日本国の軍隊が

 消え、 これからと言う時に、今度は 国土をロシアに割譲するとは反対の立場

 であったそうです。     

 そして、 袁世凱将軍が、 左議政 金 弘集に提案したのは、大日本国の

 東京へ、 昨年の12月に発生した、甲申事変の 日本政府への陳謝の使節

 代表に、 外務協弁 メレンドルフを任命し、 そして、九州の長崎港に停泊して

 いるイギリス東洋艦隊の司令官に、 巨文島からの撤退を求める交渉をさせよう

 と言う提案であったのです。

  


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  もし、 メレンドルフ が ロシア帝国とつながっていて、 ロシアが買う予定で

 あった巨文島をイギリス海軍が占拠しているわけで、 この撤退交渉に彼を

 行かせることで、 彼の行動を見定めようとしたと言われています。

 彼を 漢城に置いておくと、何をするかわからない危険人物であると考え、

 清国の目の届かない日本に行かせて、 警戒心が緩んだところを 諜報員を

 つけて様子を探ろうとしたようです。


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               【 外務協弁 メレンドルフ  ドイツ帝国出身 】



    こういう経緯で、 メレンドルフ 外務協弁は、 大朝鮮国の国王の特使と

   して、東京を訪れ、 甲申事変の出来事の陳謝と、遺憾の意を表し、 その後、

   長崎に出向いて、 イギリス海軍と撤退交渉を行う事になっていったのです。


   【 明日に続く。】