第116回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第115話 畝傍中学校を後にする。                    2012年6月4日 月曜日投稿
 
教頭先生と、岡本先生に、丁重に、身辺調査の対応を御願いした後、顔見知りの先生方に、ぺこぺこ頭を
 
下げながら、職員室を後にしたのであったが、そのまま、学校を後にして、二宮金次郎の像の前を通り、
 
校門を出た、周囲の田んぼは、冬を待つばかりである。
 
肌寒くなってきたので、すこし、駆け足をして、体を温めたのであった。
 
英会話の先生として紹介を受けたのは、奈良の当麻寺の近くにお住まいの、忍 甲一という、人らしい、どのよう
 
な人なのか、よくわからないのであったが、入学試験までは、半年も時間が無いのであった。
 
早速、明日、訪ねてみようと思ったのであるが、それよりまず、願書などを海軍省に出さなければならない。
 
そう考えながら、家路を急いだ、家に帰って、雑用をかたづけて、紹介状を見ようとしたら、封にのり付けして
 
あった。
 
これでは、中が見えない、破って、中を出して見ようかと、思ったのであるが、やはり、やめておいた。
 
なにか、理由があって、のり付けを教頭先生がされたのだと思って、そのままにすることにした。
 
書類に不備があって、受験できなくなったらいけないので、何度も、書類、写真、その他を確認して、封をして、
 
郵送の準備をしたのであった。
 
【次回に続く。】