第124回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第123話    家での父のお話。                 2012年 6月12日火曜日投稿です。
 
その日の夜、こたつで、勉強していると、父が学校から帰ってきた、食事の準備をしていたので、火をおこして、
 
暖めて、食べたのであるが、今日の忍家の授業料はいらないと言われた件を、父に報告すると、「そうかーー、
 
そういう事なら、畝傍中学の教頭先生に、1度年内に、直接会って、礼を言っておいた方がよいなー、父さんも
 
機会があれば、先生に、礼を言っておくが、来年海軍兵学校を受験して、だめな場合は、なにか別の道を、
 
考えてみないといかんな美津雄。」と、言う物だから、返事のしようが無かったのであった。
 
翌日、新聞配達を済ませて、朝食、雑用を済ませて、母親の昼の食事の用意をして、五条の町方面に、
 
歩いて出たのであった。
 
久々に、大池書店に寄ってみた、すると、敏恵さんが、「あらーー、淵田さん、元気にしてた。」と、よってきたの
 
で、「じつはのー、當麻寺の英語の先生のところに、通っていて、こちらにこれなかったんじゃ、すまんのー。」
 
と、言うと、敏恵さん、「おかあちゃんと一緒に病気でもしているのでは、と心配していたんよ、病院で薬もらって
 
いたと、人づてにきいたけん。」と、言うので、「母がねたきりでーー、そのーー、薬をもらいに行ったんじゃ。」
 
と久しぶりに、わきあいあいと話が弾んだのであった。
 
【次回に続く。】