第436回  昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第435話  電報を打つの事。              2013年5月2日木曜日の投稿です。 
 
 
 
 
 
  広島第1中学を出た、源田實は、一路、元安川添いの、万代橋まで出て、土手沿いを北に、
 
県立商品陳列館の方向に、歩いたのであった。
 
 
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                       「 昭和初期の広島県立第1中学校」
 
 
           戦前は、この陳列館の北東方向の細工町に、広島郵便局があって、電報などを
 
           扱っていたのであった。
 
 
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                         【戦前の広島県立商品陳列館】
 
 
         郵便局に着くと、 鉛筆で、 「ミノル カイヘイ ゴウカクスル。」と、短い文で、
 
         書いて、係に渡して、 お金を払い、2通、電報を打ってもらった。
 
         1通は、加計の実家の家で、 もう1通は、東京帝大に行っている、兄の松三宛である。
 
         この電報を見て、喜んでくれるに違いない。
 
 
         その後、下宿に向かって歩いたのであった。
 
 
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                               【戦前の元安橋
 
            時間がたつにつれて、セミの鳴き声が、激しくなり、暑さが増してきたのであった。
 
 
           「 あーーーーー、しかし、あついなーーー。」と、独り言を言いながら、
 
           下宿の主の原酒造の前を通ると、当時はまだ珍しい、トラックが止まっていて、
 
           第五師団司令部に、納入する酒樽を積み込みしている最中であった。
 
           「 おじさん、わしも、手伝うけぇーーー。」と胃って、酒樽を運ぶのを手伝ったので
 
           あった。
 
 
【次回に続く。】