第444回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第443話 朝一番の訪問者の事。 2013年5月10日 金曜日の投稿です。
母と、早朝、話をしながら、母は、朝食を食べていたのであるが、風呂の煮炊きをしたら、
又々、お腹がすいてしまい、 母と一緒に、残り物を食べて、久々に、楽しい時間を過ごしていると、
新聞屋の大山のおじさんが、新聞配達にこられたのであった。
私は、調度、母と、大話している最中で、「 おじさん、 やっと、海軍兵学校の2次試験が合格しまして、
来月、江田島に行きます。」と、挨拶すると、「 ほうーーーー、たいしたもんや。」と、いいながら、
「 わいは、次があるよって、 まっ、 きばりや。」と、言って、 そわそわしながら、庭先を出ていった
のであった。
「おいさん、 また、新聞配りの下働きが、休んで、自分でくばっとんかいな。」と、言うと、母が、
「ここ数日、 そういえば、若い人、こんさかい。」と、言うので、 「 はぁーー、あの仕事も、ほんま、
毎日毎日、休みが無く、大変やで。」 と、言いながら、 指がちぎれそうな、思いをして、持って
帰ってきた、お土産を広げて、 さて、誰に何を渡そうかと、 思案をめぐらしたのであった。
「 とりあえずは、 このもみじ柄の蒔絵のついた、赤いはなわの下駄は、 かあさんのや。」
と言って、渡すと、母のシカは、「 まあーーーきれいやねーー。」と、喜んでくれ、 父のやぞうには、
藍色のはなわの附いた、もみじの葉の蒔絵の附いた、下駄を、「 これは、とうさんのやで。」と、
手渡すと、 早速、今日、学校に履いていこうと、 手に取って、「 では、学校に少し早いが
行ってくる。」と言って、機嫌良く玄関を出て行ったのであった。
問題は、 残りの、「 非国民。」と、石を投げられた、土産屋で買った、人形の行き先であるが、
さてーーーー、どないしたもんやろ、 畝傍中学に、持っていったら、 全員の先生分は、ないし、
近所に配るにしても、 全員分ないし、困ったもんや。」と、考えこんでしまったのであった。
【次回に続く。】