第623回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語 】

第622話  ソビエト共産党の宣伝工作。
 
 
 
 
 
 
 
 
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  大正7年から、8年の冬場、 モスクワの共産党指導部は、 レーニンが病床のため、№2の
 
レオン、トロッキーが、赤軍を取り仕切り、 共産党を運営していました。  
 
トロッキーとすると、レーニンを暗殺しようとして、失敗したのですが、 証拠隠滅をした後、
 
後始末役のスターリンが、非常に協力的で、 うまいこと、無実の貴族階級の人を、犯人に仕立て
 
上げ、レーニン達の目をそらしてくれるので、 共産党の権力掌握に努めていたのです。
 
 
 
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また、当時、内務大臣的な事をしていた、№3のアレクセイ、ルイコフも、トッロッキーに、協力的だった
 
のです。
 
 
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     当時の、モスクワ共産党は、西は、ポーランドの青軍、南は、トルコや、ウクライナチェコ
 
     ルーマニア軍、  さらに、黒海方面からは、イギリス軍が侵入し、
 
 
 
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         ウラジオストック方面からは、日本軍などの連合軍、約8万人、 シベリア中央には、
 
        首都オムスクを中心にした、シベリア共和国、 ここにロシア白軍、約40万人
 
 
 
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          四方を敵に囲まれて、 下手をすると、滅亡する危機になっていたのです。
 
 
 
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    大正8年の春を迎えると、コルチャーク提督の、ロシア白軍と、シベリア大地で、激突は
 
確実視されており、 食糧不足、弾薬不足、武器不足が深刻であったのでした。
 
 
 
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           そこで、スターリンが、提案したのは、農民、市民への、ソビエト共産党の宣伝
 
        工作を、冬場に行って、 各地に、工作員を送り込んで、農民の蜂起を呼びかけようという
 
        提案だったのです。
 
       つまり、ロシア白軍の背後で、武装蜂起を煽動しようと言う作戦を提案したのです。
 
 
 
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           スターリンは、会議の中で、この話を自ら提案して、主導権を握ると、レーニン
 
           了解を取り付け、 トロイカ体制を組んでいる、カーメネフの主催する共産党の、
 
            機関紙 プラウダ などを利用して、宣伝工作を始めたのでした。
 
 
 
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          極寒のシベリアの地方の都市に、共産党工作員が各地に派遣され、
 
         「 税金のない、新しい国の仕組みのソビエト共産党、 皇帝、貴族、悪徳教会、
 
         悪徳高利貸し、商人を追放して、労働者が、みな等しく労働して、貧困のない
 
         医療費も無料、教育費も無料の政治システム、 富は、国民全体で分配する。」 
 
         こんなうたい文句で、宣伝活動をして行ったのです。
 
 
         
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      以前紹介したように、この宣伝文句は、見せかけで、実際は、個人資産を認めない、
 
   全部国の物であるという、そういう、考えに元ずいて、 人々は、以前よりひどい搾取にあい、
 
   密告と、逮捕、強制労働の大変なきびしい国による、管理支配生活になるのですが、
 
 
 
 
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  ロシア白軍に、人々は、馬を持って行かれたり、食料を持って行かれたり、 息子を無理やり兵士
 
  として、連れて行かれたり、ひどい目にあっていたので、 だんだんと、共産党の宣伝を信じて、
 
  モスクワの共産党に協力していくようになるのでした。
 
 
 
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     農民などは、共産党に協力して、ゲリラ活動を工作員に、煽動されて、白軍から武器
 
    を奪い、 後方で、輸送部隊を襲撃して、物資を奪い、破壊活動をしていくようになるのです。
 
     こう言う人達を、赤軍ゲリラというのですが、 これらの武装集団が、 ロシア白軍、日本軍、
 
    を苦しめるようになっていくのでした。
 
 
 
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     このような宣伝活動が浸透して、赤軍ゲリラが、活発に活動し出すと、 どこに敵が潜んで
 
   いて、誰が敵で、 どこに隠れていて、 まったく見分けがつかなくなるのでした。
 
    前の方の部隊で、武力襲撃があったかと思うと、後方の鉄道で、襲撃事件が起きたり、
 
    広いシベリアの大地で、 ロシア白軍と、日本軍は、線路と、地方都市の点を、占領して
 
    守っているにすぎなくなっていくのです。
 
    そしてどんどん、スターリンの工作に、悩まされていくのでした。
 
 
 
 
【次回に続く。】