第755回 魯山人風【ろさんじんふう】すき焼きを勉強する。

みなさんこんにちは、模型公園です。           2013年12月8日日曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
 
           今日の模型公園の家の近くは晴天で、とっても良いお天気です。
 
 
 
 
                         今日のおままごとの紹介です。
 
 
 
 
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         みなさんが食べている、すき焼きというのは、すき焼きのようで、すき焼きではなく、
 
   文明開化の明治初頭、 牛鍋というのが。流行しまして、 又、しばらくしますと、大阪で、すき焼き
 
   という、お肉を焼いて食べる方法が流行し、ここ、100年の間に、両者が合体し、現在のような
 
   形になっているのですが、制式には、牛鍋 と呼んだほうがよいと思います。
 
   つまり、ナベの中に、肉、こんにゃく、しいたけ、とうふ などなど、一緒に入れて、出したほうが
 
   料理屋としたら、手間がかからず、 後は客のセルフで、箸でつついてーーーー。と、こうしたほうが
 
   都合がよかったようです。 
 
   しかしながら、砂糖と、化学調味料をぶち込んだ甘い汁に、肉を入れて長時間煮込むと、
 
   肉の味が抜けて、汁の中に出てしまい、肉は、出し殻になってしまう。
 
   こんな欠点があるのが、現在のすき焼きこと、 牛鍋の欠点でもあります。
 
 
 
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         今日紹介する、福田房次郎こと、 北大路 魯山人という人は、東京都の永田町、
 
         銀座、大阪で、料亭を経営する共同経営者の一人だったのですが、横領と言いますか
 
         運転資金を、焼物の購入に充てて、経営がいきずまってしまい、放逐され、昭和の
 
         初期に、鎌倉の地に移住し、星岡窯という、料理専用の高級食器を作る陶芸家として
 
         活躍した人です。  この星岡窯から、当時勤務していた、荒川豊蔵人間国宝】先生
 
         などが、育っていったようです。
 
 
         
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          魯山人先生の料理の根本的な概念というか、理念ですが、生前このような事
 
          が紹介されています。
 
 
 
            「 粗末な材料は、粗末な材料を生かすように、 良い材料なれば、良い材料
 
             を殺さぬように、良い料理を作ることは、人生を明るくします。」
 
 
           と、こんな言葉が伝わっています。
 
      人前で、めったに板場に立つことはなかったのですが、1度、拝見した人の話では、
 
      全くと言って良いほど、生ゴミが出なかったそうです。 つまり、すてる材料がなかった
 
      普通、皮をむいだりしますと、生ゴミがどうしても出ますが、ほとんどでなかったそうです。
 
 
 
 
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   その料理の盛りつけも、器も独特の物で、まねの出来ない、美があったそうで、 残念ながら
 
   意図的に写真撮影させなかったのか、写真は残っておらず、もっぱら研究の対象は、料亭
 
   を経営していた頃の、月刊【星岡】という会報の文書をとりまとめて編集した物、又、本人が
 
   書かれた雑誌記事をまとめた物、 つまり、文章しか残っていないのです。
 
   読んで見ると、大山椒魚を料理していたら、部屋中が、山椒の臭いで充満したとか、 いろんな
 
   事が書いてありまして、 興味ぶかいです。
 
   それと、もう一つは、魯山人先生の周囲の人が、死後に書かれた本です。 これも文章だけ
 
   の物ですが、 今日は、平野雅章先生という、魯山人先生の書生を長く務められ、 そばで、
 
   魯山人先生が食べていたという、  すき焼きの記述から、勉強して実験して見ました。
 
 
 
 
 
 
        それでは、【魯山人風【ろさんじんふう】すき焼き】の実験の始まりです。
 
 
 
   まず、道具なのですが、 メインは、鉄鍋です。 平野雅章先生のお話では、 金沢の茶釜師に、
 
   大金をはたいて、 砂鉄から、ナベを作ってもらい、 事細かく指示を出して、 作ったナベで、
 
   円径、 深さ5センチ、 直径が30センチの物だったそうです。
 
   良い、黒いようかんの様な、鉄色で、飾り気はなく、 側面は垂直に立っていたようです。
 
 
 
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                     雰囲気的には、こんな感じの鉄鍋であったようです。
 
 
                      料理の前に、下準備が必要で、 ご覧ください。
 
 
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         鎌倉の自宅のささいな畑で、野菜を栽培していたそうで、ここで取れた、農薬を使用
 
         しない、甘みのある野菜を使用するそうで、 まずネギを、きれいにきれいに洗浄して
 
         全長が、3センチ程度に、カットしていきます。
 
 
 
 
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         どうして、3センチかと言いますと、 箸でつついて食べるのに、ちょうど良いからだ
 
         そうです。
 
         よく、マンガや雑誌などで、直角にカットして、垂直に立てらしてあるのを見かけますが
 
         後で説明しますが、見た目を気にしすぎた間違いのようです。
 
 
 
 
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          お豆腐は、本当の良い大豆を使用して作った、木綿豆腐の、表面が硬い物、
 
          つまり、箸でつついて、絹豆腐のように、ばらけない、崩れない物を使用して、
 
          これも、大きさがありまして、3センチ角にカットします。
 
 
 
 
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           ほうれん草も、農薬を使わない、食べたら、生でも美味しいほうれんそうを、
 
           水でよく洗浄しまして、 くきの根の細い毛細部分をカットします。
 
 
 
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               上の様に、どうしても、土がついて残るのですが、切らずにブラシで、
 
           丁寧に水で洗浄します。
 
 
 
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            どうして、この部分を切らずに残すかと言いますと、理由がありまして、
 
            ここを、お箸でつかんで、 ナベに入れたり、出したりするわけです。
 
  
 
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         魯山人先生は、比較的大きな、備前焼きや、織部焼などの食器で、たくさん料理を
 
         豪快に乗せて、小皿で取って行く、 そんなやり方が多かったようです。
 
         中華料理の勉強をされていた頃より、始めたようで、今回も、それ風にしてみました。
 
 
 
 
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           文献に登場するのは、ねぎ、とうふ、 ほうれんそう のみで、こんにゃくや、
 
            春菊、 椎茸などは、どういうわけか出てこないです。
 
 
 
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            別のお鍋に、 鰹節、お酒、醤油、みりんをくわえて、すき焼きに使う
 
            鉄ナベの、縁から2センチ下がり、 つまり、底面から3センチ上がりになる程度
 
            の量の出汁を作ります。
 
            ここで重要なのは、砂糖を絶対使用しないことだそうです。
 
 
 
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             濃い口醤油に、お酒、 みりんを添加した、漬けたれで、いただくときと、
 
             卵を溶いて、つけていただくときと、 二通りあったようです。
 
 
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              今日は、593円で、宮崎の和牛のすき焼き用のお肉を買ってきました。
 
            しゃぶしゃぶ用は、薄く、透けて見える程度の薄さ、 焼き肉は、2ミリ程度の
 
            少し厚切りで、はしでつついていただくのにちょうど良い大きさ、つまり、刺身
 
            程度の大きさにカットするのですが、 すき焼きに用いる大きさは、 厚さが1ミリ
 
            程度にスライスした物が良いようです。
 
 
 
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            今日は、貧乏書生の模型公園、一番安い部分のバラ肉を買ってきたの
 
            ですが、読者のみなさんは、 ロースとか、よい部分でお楽しみください。
 
 
 
   
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        そして、和牛の脂身で、鉄鍋全体に、油を塗りまして、 やっと、すき焼きの始まりです。
 
        すき焼きの元祖は、現在のように、砂糖を大量にぶち込んだ汁で煮込むのでなくして、
 
         読んで字のごとく、焼くのです。
 
         魯山人先生は、 肉を煮込むと、味が汁の中に出てしまい、肉が台無しになると言って
 
         「 肉の事を知らぬ者の料理方法だ。」と言って、煮込みは嫌われていたようです。
 
 
 
 
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          お肉の焼き加減は、 片面をまず焼き、ピンク色になったら、裏返して1秒から
 
          2秒して、すぐ取り除いて、ローストビーフの様に、ピンク色の状態で
 
 
 
 
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                   いただくのが、1番お肉を美味しくいただくコツだそうです。
 
 
            実際、やってみますと、難しいですね、 頃合を測るのが、いまひとつーーー。
 
            じゅーーーーーーじゅーーーーと、良い音と、ともに美味しそうな臭いがして
 
            きたのでした。
 
            裏面を、ザッと焼くと 裏返しに、箸でつついていくのですがーーー。 
 
 
 
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             こうなりますと、もう、焼きすぎですね、 なかなか難しいです。
 
             おはしで、つまんで、ひょいっと、とき卵の中にーーーーー。
 
 
 
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             こうして、醤油ベースのタレか、溶き卵に絡めて、いただいたそうです。
 
             鴨すき焼き、鶏すき焼きする時は、醤油に、日本酒、鰹だし、みりん
 
             などを添加したたれ、 梅を加工して作った、 梅風味の漬けたれで、
 
             楽しんだようです。
 
 
             口の中に入れますとーーーーー、あぁーーーー、至福のとろけるような
 
             卵の味と、肉のじゅっわーーーーと、しみ出す、肉汁の味がなんともーーー。
 
            
 
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            美味しいと、思いながら、次の肉を焼いていきます。
 
            確かに、ローストビーフの様な、ピンク色の状態でいただきますと、美味しいです。
 
            焼きすぎますと、なんだか、ぱさぱさして、美味しくないです。
 
            こんな感じで、肉をはじめに焼いて、行くのです。
 
            肉が食べ終わりますと、  肉の汁が出た、ナベの中に、
 
 
 
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            別のナベに作っていた、暖めてある出汁を、ざっといれまして出汁をはります。
 
 
           計算で、体積を出しますと、280CC程度の、出汁を入れまして、 3センチ角の
 
           豆腐を入れます、 ちょうど出汁の水面が、豆腐を隠すようになります。
 
 
 
 
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         そして、肉の汁、鰹節の出汁で、豆腐を煮込んで、漬けたれでいただくのです。
 
         確かに、表面の硬い、木綿豆腐ですと、崩れてバラバラになる事もなく、
 
          肉と、だし汁の味がしみこんで、美味しいですね。♪
 
 
 
 
 
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             豆腐を食べたら、こんどは、3センチにカットした、ネギを入れるのです。
 
 
             ネギを入れますと、どうしても、プカプカと浮くわけで、 垂直に立てらして、
 
             絵が描いてあるのは、あり得ないのです。
 
 
 
 
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          ちょうど3センチ、 これが、おはしでいただくのに、ちょうど良いサイズと言う事で
 
          3センチ と言う大きさになっているようです。
 
          ぷちゅっと、熱い汁が内部から出るので、火傷しないように、用心して
 
          口の中に入れます。
 
          ああーーーー、 鰹節と、日本酒と、醤油のだし汁が、口の中に、広がってーーー。 
 
 
 
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      そして、最後に出て来るのが、ほうれん草で、上の様に、根の部分をはしでつかんで、
 
 
      鉄鍋に入れて、 煮ていくわけです。  どうして、ほうれん草が最後かと言いますと、
 
      汁に、青臭さがでるからのようで、 こうして最後に、ほうれん草をだし汁で、茹でて、
 
 
       根の部分を、はしでつかんでいただくわけです。
 
 
 
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          確かに、根を取らずに、はしでつかんで、小皿に入れたりしますと、葉がバラバラに
 
        ならずに、食べるのに都合が良く、 ナベに残って、黒くなる、そんなこともないようです。
 
 
 
 
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           魯山人風のすき焼きというのは、手間がかかって、店などでは、なかなか、
 
           それぞれのテーブルを、もりするのは、難しいので、一部の食通の人の、
 
           個人的料理法で、 広まらなかったようですが、お肉などを美味しく、焼いてい
 
           ただく、 つまり、好きに焼いていただく、 すき焼きの原点のようです。
 
 
 
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           今日は、魯山人先生の書生を長く務められ、そばで、長く先生の食生活を
 
           見られていた、平野雅章先生の回想録から、勉強して、実験してみました。
 
 
           まだまだ、僕の知らない、食べたことのない、 美味しい料理方法があるようです。
 
 
           今日は、原価、800円程度 作業時間30分程度の、魯山人風すき焼きの
 
           素人料理の紹介でした。   
 
                          今日も美味しいすき焼きでした。
 
 
 
 
 
              今日の模型公園の所有の古写真を鑑賞するコーナーです。
 
 
 
 
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           今日紹介するのは、日本陸軍97式戦闘機の飛行場での横撮影の写真です。
 
 
 
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     隼の採用の前の戦闘機で、単翼機ですが、車輪を格納する能力はなく、スピードが今ひとつ
 
     ですが、旋回性能はよい飛行機でしたが、防弾設備は、皆無であったようです。
 
      尾翼の数字と、 胴体の紅い帯線に注目です。
 
      拡大すると、漢字で、六九と、黒文字が入っています。
 
 
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          残念な事に、場所の飛行場名、部隊の名前は、わかりません、 昭和12年に
 
          制式採用となった飛行機ですので、 昭和12年から15年の間の写真の様です。
 
          今日は、今から約76年程度前の飛行場に整然と駐機された、当時の戦闘機、
 
          の写真の紹介でした。
 
 
 
          今日は、画像容量が一杯になりましたので、模型のお話は、又明日します。
 
 
 
 
 
 
         それでは、みなさん、良い日曜日の夜をお過ごしください。    ギッチョンパー♪