第1053回 日本海軍 軍艦カレーを再現する。

みなさん、こんばんは、模型公園です。        2014年10月3日 金曜日の投稿です。
 
 
 
 
 
 
                今日の模型公園の家の近くは、晴天でとっても良く晴れています。
 
 
 
                          今日のおままごとの紹介です。
 
 
 
 
 
                みなさんも、学校に行ったり、塾に行ったり、会社に行ったりして
 
                あまり時間が無いと思うのですが、 10分ほど、僕は本を読むように
 
                心がけています。
 
                例えば、耳でニュースを聞きながら、目で本を見るとか、工夫しています。
 
 
 
 
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             昨年から、100年程度前の、日本海軍の衛生学なる資料を研究していて、
 
             現在の 海軍カレーと、呼ばれて食べられているカレーとは、ずいぶんと
 
             違う食べ物であったと言う事が、わかってきました。
 
             海軍カレーと、名をつけて、商売している人の邪魔をするつもりは無いの
 
             ですが、 半年前に1度再現し、 今回も、少し作って見ようと思います。
 
 
 
 
 
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           軍艦というのは、 こういうお肉などは、 すぐ腐敗しまい、 食べるときもあった
 
          ようですが、 比較的、 食べる機会が少なかったそうです。
 
          つまり、腐りにくい、長期保存が出来るものが使用されていったようです。
 
          そして、 戦艦のような大きな軍艦ですと、 乗組員が1500人程度乗艦していたので
 
          とてつもない、 数のカレーを作る必要があったのです。
 
 
 
 
 
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           自然と合理化されていき、 手間が省かれ、腐りにくい食品を選んで、
 
         軍艦の中に積み込んで、航海に出て行ったのです。
 
 
 
 
 
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         ところで艦艇勤務というのは、洋上に出ますと、常在戦場の精神で、休みが
 
         事実上無かったのです。
 
         月、月、火、水、木、金、金 と、呼ばれまして、歌にもなっていますが、
 
         当時は、大変でありました。
 
 
 
 
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         曜日の感覚を忘れないようにと言うことで、当時は、毎週土曜日の昼に、カレーを
 
         食べる決まりがあったのです。
 
         つまり、聯合艦隊 麾下 45000人の将兵は、 土曜日のお昼に必ずカレーを
 
         食べる事に決まっていたのです。 
 
 
 
 
 
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           それと、戦後の海軍カレーと違う点は、御飯です。 
 
           戦前は、かっけ という病気を予防するため、 白米に、麦を添加して、麦御飯の
 
           上に、カレーのスープをかけていただいていたようです。
 
           当時のメニューは、 カレーだけでもずいぶんとあるのですが、 人気があった
 
           海産物のカレーを今日は再現してみます。
 
 
 
 
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       作業で1番はじめにすることは、御飯を炊くことと、 あさりのだし汁を作ることでして、
 
 
       本歌は、 白米と麦で、 麦御飯を炊くのですが、  今日は、白米に餅米を添加して
 
       その比率は、白米が4、 餅米が1の比率です。
 
       海軍の記録によりますと、一合で、2人分出来たと言いますから、参考にして
 
        いただけたらと思います。 
 
        お酒を入れて、 必ず塩を少々入れて、 水分を少なめにして、 硬い御飯に炊くのです。
 
 
        あさりは、 近くの港で現地調達した物を、茹でて、 汁を取り、 貝は、人海作業で、
 
        丁寧に、身をとっていきます。
 
         ここで取れた、貝のだし汁を別の容器に入れて、保管しておきます。
 
 
 
 
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            軍艦では、 海に近かったので、 海産物の料理が、幅をきかせていたようです。
 
            そういうわけで、 あさりの汁で作る軍艦カレーは、 人気のメニューであったと
 
            記録にあります。
 
 
 
 
 
 
 
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           今日使用する材料は、りんご、タマネギ、 梅干し、あさり すべて、腐りにくい
 
           品ばかりです。
 
           あさりなどは、 桶に海水を入れて、入れておきますと、 数日は大丈夫だそうで
 
           保存がきいたようです。
 
 
 
           
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           そういうわけで、 海上自衛隊のカレーや、 海軍カレーと称して販売されている
 
           カレーの中に入っている、 にんじんとか、 牛肉とか、 ジャガイモとかは、
 
           日本海軍では、ほとんど使用されなかったのです。
 
           太平洋戦争の頃、一部の新鋭艦に、冷蔵庫が搭載され、 そういう艦は、例外で
 
           いろんなメニューがあったと、記録があります。
 
 
 
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           リンゴという品物も、 ずいぶんと、常温で、日持ちがしまして、便利な食材です。
 
 
           一部、すり下ろして、 一部をぶつ切りにして、 カレーに入れます。
 
           実験では、 4分の1、すり下ろし、 4分の1、小割にして煮込んだ方が、ちょうど良い
 
           数量のようです。
 
 
 
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               まず、バターとショウガのすり下ろしを鍋にいれて、
 
 
 
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              玉葱を入れて、 スチームで加熱して、炒めていきます。
 
              当時、海軍では、旧式艦は、コークス、 昭和に入ってからは、蒸気スチームで
 
              鍋を加熱していました。
 
              機関室から、 蒸気をひいていたようです。
 
 
 
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           そして、タマネギが薄い色に変化したら,貝のだし汁と、貝の身を入れます。
 
 
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                   今日は、梅干しの種をとって、身を丁寧に取って、鍋に入れます。
 
               数量は、 二人に対して、 大きめの梅干し、一つです。
 
 
 
 
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                 ここで、 イギリスからの輸入物の、カラシチャッネを、入れて辛さを
 
             調整します。
 
              現在のチューブで市販されている物は、ジャムの様に甘いのですが、
 
              まったくの別物で、 イギリス風の辛い漬け物のような物です。
 
              お近くにない場合は、 カラシで代用していただけたらと思います。
 
              総じて、 塩がたくさんはいっているのか、塩辛いそんなチャツネです。
 
 
 
 
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           ここで、リンゴの小割と、 すり下ろしを入れます。  これを入れるとなかなか良い
 
          味になっていきます。
 
 
 
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          海軍では、粉ミルクのような、 ココナツミルクの缶というのがあって、それを
 
          海水で溶いたり、真水で溶いたりして、 ココナツミルクを入れます。
 
          市販の物が販売していますので、 それを使用するか、 最悪、牛乳でも
 
          代用していただけたらと思います。
 
 
 
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            そして、海軍省指定の、カレー粉を、カンカンを開けて、 鍋に入れ、
 
            小麦粉を入れて、とろみを調整します。
 
 
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            海軍では、機械的に、 アルマイトの入れ物を並べて、 麦飯をついで
 
 
            カレーを、汁をかけるように、かけていったようです。
 
 
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           記録によると、 一緒に、在庫のある漬け物を少し添えていたようです。
 
 
 
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               こんな感じで、  現在で言えば、 牛丼のチェーン店のように、
 
              1500人分作って、 みんなならんで、 次々と、配膳を受けていったようです。
 
 
 
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                   じゃーーん、 今日のあさりの軍艦カレーの出来上がりです。
 
 
 
 
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      カレーを、食事に採用したのは、 陸軍が早く,明治時代には、もう食べていたようです。
 
      その運用実績から、 海軍が採用し、 各 艦艇で、色々作られていったようですが、
 
      昭和12年から,補給物資の供給の問題で、 作り方のマニュアルが出来て、 作業の
 
      均一化が、進んでいったようです。
 
 
 
 
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             このあさりのカレー、当時人気があったそうで、貝のだし汁が効いて
 
             美味しかったそうです。
 
 
 
 
 
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               今日は、原価が200円程度、  作業時間 20分程度の
 
               再現実験の紹介でした。
 
 
 
 
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                              今日もとっても美味しかったです。
 
 
 
 
 
 
 
 
                       今日の模型のお話です。
 
 
 
 
 
 
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                      今日は、2式艦上偵察機の完成のお話です。
 
 
 
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          この2式艦上偵察機というのは、4機制作され、2番機が、事故で失われ、
 
          3番機、4番機が、 昭和17年5月に、 第2航空戦隊 空母 蒼龍に搭載
 
          されました。
 
 
           昭和、17年6月5日に、ミッドウェイ海戦で、 巡洋艦 利根 搭載の水上機
 
 
 
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           アメリカの機動部隊を発見し、 入電してきたのですが、 その後、連絡が
 
           取れなくなり、 蒼龍から発艦して、2派目の偵察に出発するのですが、
 
           敵の航空母艦を発見して、連絡をしようと、モールスを打つ、送信機が故障して
 
           いて、 使い物にならず、仕方なしに、全速で戻ってみると、 空母艦隊は、
 
           大破、炎上中であったと、 記録があります。
 
 
 
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           悪い事は続くという、不運の連続のような、出来事でしたが、どうも、初めから
 
           送信装置は破損していて、 通信管制で、 電波発信の確認が出来ず、 いざ、
 
           使用しようとしたら、壊れていてと言う、 そんな事案であったようです。
 
 
           この2式艦上偵察機が、 1年後、 彗星として、 改装を受けて、採用され、
 
           晴嵐などに、進化していくのですが、 その母体となった機体でした。
 
 
 
 
 
     それではみなさん、良い金曜日の夜をお楽しみください。         ギッチョンパー♪