第1316回 永田町2丁目の風 「海上自衛隊に海上警察権を。」を考察する。

みなさん、おはようございます。 模型公園です。     2015年2月15日 日曜日の2回目の投稿です。






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          この永田町2丁目の風のコーナーは、 僕の考えを簡潔にお伝えするコーナーです。


          多忙とは思いますが、国民の一人として、 少し考えていただけたらと思います。






              今日のお話は、「 海上自衛隊に 海上警察権を。」 というお話です。







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          海上自衛隊という組織は、軍隊ではなくて、 法律上では、 日本の周囲の


          海から、 日本の独立と、国民の安全を害する侵入者を、正当防衛で、防御する

          組織となっていて、 こちらから 発砲したり、 危険な挑発的行為は、禁止され、

          内閣総理大臣の許可が無いと、現場では、見守るだけで何も出来ない組織です。

         この点が、 良いと言う人もいれば、 問題が多いと言う人もあり、 2つに意見が

         分かれるのですが、今日のお話は、 1999年 3月23日 に発生した、事案を例として、

         少しお話をしたいと思います。



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          実は、前々日に、当時の防衛庁に、アメリカの偵察衛星から、 北朝鮮工作船


          我が国に向かっていると、内々に情報が入り、 前日の3月22日に、 海上幕僚監部

          から、 自衛艦隊司令部へ、 そして第3護衛隊群に命令が発令され、 京都府


          舞鶴基地から、 3隻の護衛艦が 当日の22日の15時に出動して、 海上で2隻を

          待ち構えていたのです。







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           翌日の3月23日に、夜明けと同時に、哨戒機が、0642時  佐渡島の西 18キロに

           1隻目の工作船を視認し、  0925時に 能登半島の東60キロの海上で、

           2隻目を視認して位置を把握して、  3隻の護衛艦が、その海域に急行したのですが、

           問題は、 ここから当時の内閣総理大臣 小渕 恵三 先生の命令がなかったので、


           その先、何も出来なかったのです。




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            つまり、14時間にわたって、 見ているだけで、何も出来ず、無駄な時間が

            経過していったのです。


            野呂田防衛庁長官の報告を、総理大臣官邸の 野中 官房長官が、止めてしまい、

            運輸省に回して、 海上保安庁に対応するよう指示が出されたのです。

           なぜかと言うと、 海上自衛隊には、 停船を命じたり、 その船の船員を逮捕したりする

           権限が法律上ないのです。

           つまり、見守るだけで、何も出来ずに時間が経過していったのです。

           これらの取り締まりについては、海上保安庁が行う事になっていたのですが、結局




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            海上保安庁が、巡視船15隻、 航空機12機で昼間に追いかけたのですが、 

           取り逃がし、夜になって、 翌日の0030時に、 川崎 運輸大臣が、「海上保安庁

           能力の限界を越えているのでーーー云々。」と,内閣に報告があり、 0050時に 

           海上警備行動が発令されることになるのですが、 この顛末をみても、 お粗末と

           しか言いようのない顛末でした。

            1日経過して、 夜中に、「 海上保安庁の能力の限界をーー云々。」と報告する前に、

            海上自衛隊で当初から、対応し、 その後、 海上保安庁に、引き渡しておけば

            事足りたわけです。





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            この 2隻の工作船の目的が、 何であったのかというのは、わからないままでしたが


           当時、麻薬の受け渡しであったとか、 工作員の上陸であったとか、言われていますが


           仮定のお話ですが、 日本人が誘拐されて、 袋に入れられて、 工作船に乗せられて


           逃走したとします。


            現在の法律では、海上自衛隊には、 見ていても、法律上、手出しが出来ないのです。


            「 ウソだろう。」 と思われるかも知れないですが、現実にはそういう法律なのです。


            「 そんなバカな事があるものか。」 と思うのは、僕だけでないと思います。



           実際は、ないでしょうが、極端な話、 子供が拉致されて、 工作船から、助けを

           求めているのを、現場の司令や艦長が双眼鏡で確認しても、 何も出来ないわけです。

          
            少し昔の田中角栄内閣の時に、金 大中事件と言うのがありましたが、 同様で、

            在日朝鮮人のスパイ組織に、 東京から大阪に誘拐されて移送され、 大阪の

            沖合から、 大韓民国に船で拉致されたときも、 見守るだけで何も出来なかった

            のです。

            下関あたりで、 取り押さえることも可能であったのです。

             自衛隊ではこの事案の場合、 航空機で低空飛行して爆音で、工作船

             威嚇して、 監視を続けたのですが、 後年、金大中さんのお話では、

            海にすてられそうになり、 死を覚悟したそうですが、 飛行機の爆音で、

            状況が変わり助かったと言われていましたが、 何事もこう言うことでは、

            今後、国民の安全を守る立場から、 よくないと思うのです。





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            海上自衛隊では、 こう言う事を想定しての訓練を繰り返し行っているのですが、


            実際には、 出来ないような法律なわけです。



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            現場の司令、及び、艦長の判断で、 実行した場合、 懲戒免職になって


           しまうわけです。

           こういう、 現場の指揮官が、 苦悩を感じる部分については、政治家が、十分

           意見を聞いて、 国会で議論して、改善していく必要があると思います。





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           みなさん、現在進行形ですが、 イエメン沖の 海賊からの船舶の護衛任務ですが、

           海上自衛隊には、 海賊を逮捕する権限というか、 法律上出来ないのです。

           そういうわけで、 海上保安庁から、2名の海上保安官が出向して、護衛艦

           乗り組んでいるのが現状です。


           よその国の海軍や、政府から見ると、 実に滑稽で、「おかしな事をーー。」と、

           言われるわけです。

           また、 現場の 司令や艦長も,自分の権限範囲外の 海上保安庁の職員が

            乗船してきて、 命令は出来ないわけです。  組織が違うからーーー、


        



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            気を使うし、やりにくいとしか、言いようがないです。

            二人の保安官も、 大変としか言いようがないですね。

           多くの人が考えるように、 こう言う部分は、 海上自衛隊で停船させ、

           必要があれば、逮捕し、 その後、 海上保安庁に 引き渡したり、 その地域の

            国の沿岸警備隊に引き渡したりするのが、普通で、 手出しが出来ないという

            現状の法律は、 おかしいと言わざるを得ないです。






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            話は、元に戻るのですが、 大量に漁船が押し寄せて来た場合、 また、 それに


            準じた事案が発生した場合は、 臨機応変に、海上自衛隊で、公海上で臨検を

            
             実施し、 必要があれば、逮捕して、 所轄の 海上保安庁に、身柄を引き渡す、

            こういう法律の整備が必要と考えています。


           日本人が誘拐され、 工作船に乗せられて、 逃走し、 追跡していても、海上での


           警察権がないと言う事で、 何も出来ず、 追跡して、見守るだけというのでは、


           国民から、批判を受けるでしょうし、 現場の人間も悔しい思いをするだけです。





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           能登半島沖の 不審船事件も、 日中の12時間程度、日本の法律の不備から、

           無駄な時間が経過してしまい、 夜間に取り逃がすという事態になってしまいました。



          過去の失敗を参考にして、 2度と失敗を繰り返さないように、 よく法律を

          

          考えて、 必要な部分は、改正して対応いく必要があると思います。



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          ここ数年、 島根県隠岐の島近海で、水中で、北朝鮮潜水艇と思われる


          小型潜水艇が、 ダイバーによって目撃されたり、  安来市の海岸で、 覚醒剤


          梱包されて、大量に漂着する事件が起きています。




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          これらの事案が何を意味するかというと、 工作船から、 小型潜水艦に


          輸送手段が変化していることが考えられます。


          海上保安庁の巡視船には、 ソナー探知機などはないので、 小型潜水艦ですと

          追跡などは不可能ですし、 逆に、返り討ちに遭うでしょう



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          海上自衛隊も、 日本海側の沿岸の 対潜警戒を、厳とする必要があると

          僕は考えます。


          【次回に続く。】 【  転載可 】