第1210回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1209話 関東大震災「このおおうつけが。」の事。2015年6月25日木曜日の投稿です。 





             
イメージ 1
    


    関東大震災の当時、陸軍省は仮設の病院を造り多くの負傷者を救護するなど

   仮設の住居を靖国神社日比谷公園などに設営し、地震の災害復興に部隊は

   全力を傾けていたのです。


イメージ 2
 


        そのような中、 陸軍憲兵隊司令官 小泉 六一 陸軍少将は

        田中 義一 陸軍大臣に、大杉 伊藤事件の報告に上がったのです。



イメージ 3



         小泉 陸軍少将は、 神田メソジスト 教会の フランス人神父

         ポンヒッドゥー牧師なる人物を尾行していたところ、王 希天 なる

         中国人 留学生と称する工作員が定期的に接触し、 この 王

         という工作員は、 自ら 中華美以美教会なる 教会を主催し、

         その人物の行動を監視していると、 定期的に接触する日本人女

         が浮かび上がり、 その人物が、伊藤 野枝 なる人物であったの

         です。



イメージ 4



        そして、 その伊藤なる女の潜伏先が、 大杉という社会主義者で、

        以前 赤旗事件という 労働争議東京府内で起こし 逮捕された

        前科があった人物で、 東京憲兵隊では、 陸軍の部隊に通訳と称して

        入り込んでいた、王 希天を 見つけ出し、 これを逮捕 厳しい取り調

        べの後処刑し、大杉、伊藤 2名が同伴していた幼児を 逮捕し、 厳し

        い取り調べの後、 証拠隠滅のため 3名とも処刑したと報告を行った

        のです。



イメージ 5
         


 
    だまって聞いていた 田中陸軍大臣は、 「 もう一度聞くが、子供はどう

    なったのか。」 と問うと。



イメージ 7




      小泉 陸軍少将は、 「  3人一緒に 東京憲兵隊の麹町司令部で

    処刑したと報告が来ております。 閣下、東京府内の敵国諜報組織を壊滅させ

    ました。  現在取り調べで聞き出した、諜報組織の人物を洗い出し、逮捕に

    向けて邁進しております。 」 と 返答すると、  田中 陸軍大臣は、だんだん

    顔が赤くなり、 イライラするような顔つきとなり、「 この、おおうつけがっ。」 と

    大声で怒鳴りつけたのです。




イメージ 6




    「 我輩になにもはかることなく、勝手に3名を処刑するとは何事か、憲兵隊が

    手にかけた子供の素性を 貴様知っているのか。」  と 田中陸軍大臣が問うと、

    小泉 陸軍少将は、 「 大杉と伊藤の子供ではないかと。」 と返事をすると、


    田中陸軍大臣は、 「  もうよい、 貴様は沙汰があるまで、自宅で謹慎して

    おれ。」 と、激怒して頭を抱えることになったのです。


    山本 権兵衛 総理大臣に 「 実は子供は陸軍憲兵隊に殺害されていた。」

    と報告した後どうなるかーーーー、「 我輩の知らぬ所で、まずいことになった。」

    と、先々の事が思いやられたのです。


    【 明日に続く。 】