第1277回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1276話 ファシズムの原点の事。 2015年8月30日 日曜日の投稿です。


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  1905年 ムッソリーニ先生は、21才で スイス当局に逮捕され、国外追放処分を

受けて、となりのイタリー王国 【現在のイタリアの事】の警察に身柄を引き渡される

のです。

ここで、 軍隊に入るか、 刑務所で懲役を受けるか、当局に迫られて、ムッソリーニ

 先生は軍隊に入営することになったそうです。



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   当時の イタリー王国 こと 現在のイタリアは、貧乏国で、非常に複雑な

  権力組織であったのです。

   ローマのバチカンに、 宗教指導者のローマ教皇がいて、宗教面で巨大な

 力を有していて、 ローマ国王のヴィトリーオッ エッマヌッエールという、 国王と

 その取り巻きの貴族階級があり、 地方では、 マフィア 【 日本の暴力団のような

 組織】が根を張り、 庶民から 金銭を巻き上げていたのです。



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     イタリアという国は、 山岳地帯が多く、 平野が少なく、 農業が限られた

  収穫しか得られないところに、 教会が 年貢を取り、 国王が税金を取り、

  マフィアがピンハネしていくので、 人々は極貧になって行ったのです。

  そして逆らえば 殺されたのです。


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     ベニート ムッソリーニ先生は、このようなイタリー王国にまた 戻ってきたの

   ですが、 一兵卒として陸軍に配属され 軍隊生活が始まるのです。

   記録によると、 子供の頃から 鍛冶屋で手伝って 鍛えた頑強な身体で

   部隊内では、 成績がよく、 評判もよかったそうです。

   また、あいた余暇があると、 本を開いて 政治学などを勉強していたようです。

   実は、 独裁者 ムッソリーニを研究する上で、この兵営生活は重要な時期で

   ムッソリーニ先生が、 ファシズムを考えたというか、軍隊の規律社会を世間に

   広げていこうと考え出した時期であったようです。



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    軍隊という所は、 将校などの指揮官が命令すると、 大勢の部隊の兵士が

    ひとつの事を行うわけです。

    軍律という 厳しい規則があり、 違反すると 銃殺刑になるわけです。

    そういう 厳しい軍律があるので、 みんな、命令があると、 それが良いこと

    でも、悪い事でも、忠実に実行していくわけです。

    ムッソリーニ先生は、 この点に、軍隊に入って気がついたようです。

    このローマ教皇や、ローマ国王や、マフィアが幅をきかす、

    イタリー王国で疲弊する国民を 豊かにするには、軍隊式の統率が必要

    不可欠と考えるようになっていった様です。




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      ムッソリーニ先生が、 唱え始めた ファシズムとは何かというと、

      直訳すると、 結束主義 という意味で、 国家全体が結束して、産業を

      育成し、 教育改革をして 貧しい家庭の子供も、 裕福な家庭の子供も、

      平等に教育を受ける権利があり、 子供はみな 出発点は、0で同じで

      なければならないと考えていたのです。

      そして、一番大切なことは、 やる気を失っている、 イタリー王国の

      国民に、やる気を起こさせる教育が大切であると考えるようになっていった

      のです。



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      当時のイタリアの人と言うのは、 農作物を収穫しても、教会に年貢を

    取られ、 国王に税金を取られ、 マフィアが来て、 ピンハネして、ほとんど

    取られてしまい、 仕事をしても そういう輩がやってきて、 貧乏から抜け

    出せず、やる気を失う人がほとんどであったのです。

    そして、その下の小作農は、 さらに深刻で、 アメリカなどに移民することで

    活路を求めたり、 そう言う人が多かったのです。


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      イタリーの政治家という人達は、 古代ローマの栄光を もう一度と考える

      人が多かったようで、ムッソリーニ先生も その一人だったようですが、

      当時は、ファシズムの原理の初歩を考えだした程度で、 兵役を務めな

      がら 軍隊の中の統率、 統帥、 規律、 人使い、 上官の仕え方

      などを身をもって経験していったようです。

      1906年、 入営から1年半した、23才の時に、 軍隊を満期除隊し、

      また、イタリアでの生活が始まっていくのです。


     【 明日に続く。】