第1333回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1332話 大戦初期の戦死者の事。 2015年10月25日 日曜日の投稿です。





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     1914年 大正3年に始まることになった、 当時は 欧州大戦と呼ばれる

  戦後の呼び名で、第1次世界大戦という、ヨーロッパの王室の争いは、古典的

  戦術からスタートして、 近代戦に変化していった、 そういう戦争でありました。



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     戦後の現在 忘れ去られ、知る人は少なくなったのですが、 当時の

    アドルフ ヒットラーが所属していた 大ドイツ帝国という軍隊は、日本陸軍

    の様に、 軍服、武器などが統一されていない 寄せ集めの軍隊であった

    のです。



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   この図はドイツの皇帝の支配地域を表す物で、 ブルー色が、プロイセン王国

   と言って、首都はベルリンで、 ドイツで1番大きな 王国でありました。

   グリーンが ザクセン王国と言って、首都はドレスデンデ、また別のアウグスト

   三世と言う王様がいたのです。

   薄い水色の部分が、ヴェフレテンヘルク 王国と言って、 シュトットガルトを首都

   として、ヴェルヘルム二世という国王がいたのです。  

   


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 そして イエローの部分が、 バイエルン王国というのかあって、ルートビッヒ三世

 と言う王様がいて、 首都は ミューヘンであったのです。

 ヒットラーは、このバイエルン王国外人部隊に所属していたのですが、

 これらの王国は、 当時独自に軍隊を組織し、 それぞれが別の装備を持ち

 統一した 武器、弾薬、装備ではなかったのです。

 日本で言えば、 長州や、 薩摩や、 肥後や、 土佐の 藩がそのまま独自に

 軍隊をもって、連合して戦ったという表現をすればわかりやすいと思います。


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    当時の1番の火力は、大砲で、 馬車でゴロゴロ大砲をひいていき、



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    一斉に、 支援射撃をすると、 突撃ラッパを鳴らして、 中世の騎士の

    ように、 騎馬隊が 大挙して突撃していったのです。



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       そこに待ち受けていたのは、日本陸軍でも採用していた フランスの

       ホッチキス機関銃でありました。

       この機銃は、日本陸軍の九二式重機の原型となった機銃で、板状の

       金属板に弾丸を貼り付けて、横から装填する方式の機関銃であった

       のです。

       これらの兵器の 一斉射撃で、 ドイツの騎馬隊、歩兵部隊は全滅に

       近い多くの死傷者を出して、退却していったのです。 



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      今度は、相手のフランス側の砲兵部隊が、一斉に支援射撃を行い、

      フランスの騎馬隊や、歩兵部隊が突撃ラッパを鳴らして、ドイツ側に

      追い打ちをかけたのです。


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        小銃に着剣し、 馬に乗って槍やサーベルで突撃してくる、19世紀の

       ナポレオンの軍隊と そう変わらない突撃戦法でありました。

       これらの突撃を食い止めたのが、ドイツ側の防御陣地に据えてある

       機関銃でありました。


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        このドイツ側の機関銃は、マキシム機関銃と言って、 布地に弾薬を

        差し込んで、 給弾するという構造で、 銃身の周囲に水のタンクで

        覆って、 加熱する銃身を水冷しながら、 長時間の連射が可能な

        機関銃でありました。

        横一列で、 後からぞろぞろ続いて、 迫ってくるわけですから、


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        狙いなどはどうでも良くて、左右に発射すると、 数百人の兵士が

       あっという間に 撃ち抜かれて戦死し、 部隊は崩壊していったのです。

       欧州大戦の初期の戦いというのは、 機関銃座と 機関銃座の間で

       無益な突撃が繰り返され、多くの人が戦う前に戦死していったのです。

       兵士というのは、 命令があると 突撃して進まないと、 逃げたりすると

       逃亡罪で、 銃殺刑になるので、 みんな 愚かな将校の中世の騎士道

       精神というか、 そういう思想の突撃命令で命を落としていったのです。

       

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     そして、 いつしか 両軍とも、敵の砲撃や 銃撃を防ぐ為、地面に塹壕

     と呼ばれる溝を掘って、 対峙するようになっていったのです。

     多くの、もともと軍人であった、 職業軍人が機関銃の一斉射撃で落命し

     部隊が壊滅していき、 その補充で、 アドルフ ヒットラーの部隊が

     前線に到着することになっていったのです。


     【明日に続く。】