第1334回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語】

第1333話 シュタールヘルムの登場の事。 2015年10月26日月曜日の投稿です。





      昭和の戦後、 日本人で シュタールヘルム という言葉の意味を

    理解できる人と言うのは数少ないのですが、この言葉が出来たのが、

    1914年 大正3年の8月にドイツが、ベルギーやフランスに駒を進めて

    3ヶ月程度、後の事であったのです。



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      この写真を見ていただくとよくわかるのですが、 当時のドイツ軍というのは

      各 王国の軍隊が混在する連合軍のような構成で、武器や軍服もそれぞれ



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      違ったのですが、 非常に 一見しただけで 所属がよくわからないと

      言う事で、マークを帽子につけることになって行ったのです。



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      第1次大戦中のドイツ兵士の略帽についているマークは、 模様で

      いろいろ 意味があったのです。

      当時は、この丸いマークで、 どこそこの王国の軍隊と見分けを

      していたようです。


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        この帽子は、 ピッケルハウベ と呼ばれて、 貴族や、武官、警察官

        などの 身分を表す ドイツの伝統的な帽子であったのです。

        日本で言えば、 烏帽子などに、該当する品物でありました。

        革と部分的に金属の金具で出来ている帽子ですが、戦争が始まり

        大量に兵士を徴兵した結果、 ドイツ国内の革が不足し、 その対策

        として紙を固めた、 ファイバーのような、 そういう軽い、形だけの原型

        に布を貼った ピッケルハウベが生産されていったのです。


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         上の写真の中央の若い兵士が頭にかぶっているのが、 紙と

         布で作られた 量産品の ピッケルハウベという帽子です。

         彼等は、量産品の帽子を配給されて 前線に到着して、戦闘に

         参加することになっていったのです。



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          ところが、 8月から戦争が始まり、 3ヶ月後、戦死者の数が

          100万人に達して、 ドイツ側では、大きな被害が問題となった

          のです。



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       機関銃という 当時の新しい兵器で、 それ以上進めなくなり、地面に

      塹壕という 溝をほって、ここに隠れて、お互いが撃ち合いをするという

      そういう戦況になっていき、 その後どうなったのかというと、 地上に

      頭を出して、 撃ち抜かれて戦死する兵士が続出していったのです。


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        1914年の後半に一部で運用が開始されたのが、 シュタールヘルム

        という 、現在で言う、鉄のヘルメットが登場したのです。


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      このシュタールヘルム というのは、 塹壕から、小銃を構えて発砲する

      場合、どうしても、顔を上げて、相手を見て 撃つ必要があり、 そうして

      いると相手側からも、弾丸が飛んでくるわけでして、 これをかぶって、

      頭部を保護することになっていった様です。



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      このシュタールヘルムは 耳がかくれるようなデザインとなっていて、

      大変優れたデザインでありましたが、 距離と、角度にもよるのですが

      弾丸の直撃を受けた場合、 やはり 近距離の場合は 意味が無い程度

      穴が開いたようです。



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     当時のイギリスのヘルメットは、薄い円盤形をしていて、 こちらは弾丸を

     弾いて すべらせて 回避するというデザインですが、 耳などの側面が

     無防備で、 ドイツのシュタールヘルムと比較すると、 一段安全性が

     低かったようです。



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         すぐ戦争は終わると考えられていたのですが、 3ヶ月で機関銃と

         砲撃で、 100万人近くの兵士が戦死し、 戦場は、前に進めない

         膠着状態になっていったのです。

         そして 雪が積もり、寒波が兵士を苦しめていったのです。

         ドイツ側では、これらの戦況を打開するために、新たな新兵器が

         考案され 前線に投入されていったのです。


        【明日に続く。】