第1335回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1334話 ユダヤ人と化学の事。 2015年10月27日火曜日の投稿です。





     
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      自分達が在校していた 海軍兵学校には、 化学を専門に勉強する建物

    が当時あって、 一通りの基礎知識を短期間で たたき込まれたのです。

    どうして、戦争屋になるのに 化学の知識が必要なのかという質問が

    当時からあったのですが、 実に 大切な事でありました。


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       後に、聯合艦隊 参謀長となる、草鹿 龍之介 海軍中将は、戦後、

       あまり知られていないのですが、 大阪の阿倍野の 淵田 美津雄氏の

       実家の 少し行ったところで、 戦後、 肥料の開発研究をされていたの

       です。

       「 おまえ、 化学と、肥料と何の関係があるのか。」 と 質問が来るの

       ですが、 実は 欧州大戦という 戦後の呼び名で、 第1次世界大戦を

       語る上で、重要な意味を持っているのです。



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     そして、 あの アドルフ ヒットラーが ユダヤ人を毛嫌いして、迫害する

     原因にもなっていくのです。

     戦後の日本では、あまり知られていないのですが、 ドイツという地方は、

     日本の北海道の旭川のような気候でありまして、夏は暑く、 冬は早く、

     おとずれて、そして 寒い地域であります。



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      19世紀まで、ドイツは土地が痩せていて、ジャガイモ程度の農産物程度

      しか育たず、 小麦などは実は、ほとんど輸入に頼っていたのです。


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      つまり、ジャガイモ程度しか、育たず、小麦を植えても枯れてしまうので

      大変農業が低レベルであったのです。

      これを何とかしないといけないと、智恵を搾ったのが、 ドイツ在住の

      ユダヤ人であったのです。

      彼等は、徒党を組んで、 高利貸しや、強引な暴力的な取り立てや、

      人々から怨まれる存在であったのですが、中には、医者や、学者も

      優秀な人が多かったのです。



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    【世界で初めての化学肥料を作った ユダヤ人のフリッ ハーバー博士 】


    ハーバー博士と言う人は、空気の中の酵素という物質を発見して、それを

    取り出す方法を考えた人でありました。

    酵素というのは、 作物の生育を促進する重要な物質で、 この方法で

    化学肥料が大量に生産されることになったのです。



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       このような物が、 20世紀の初めに開発され、 痩せた土壌のドイツに

       どんどん使われていき、 その後、どうなったかというと、 麦の栽培が

       可能になり、 農業生産が飛躍的に向上していったのです。


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       その後、ドイツ人は、この化学肥料を船で運搬して、 植民地の農場で

       使用するようになっていったのです。

       それを 畑にまくと、 ぐっと 植物が生長するので、みんな買うようになり、

       ドイツでは、 化学プラントが建設され、 酵素の大量生産が開始された

       のです。


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      フーバー博士は、その後、 空気から 酵素、 アンモニア 硝酸の作り方

      を研究して 実用化し、 ドイツではこれらの化学物質を大量生産する

      事になっていったのです。


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         以前、 下瀬火薬のお話で紹介したのですが、 アンモニアという

         物質や、 硝酸 という物質は、 爆発物の原料になるのです。


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        この化学の研究の成果で、これまでの黒色火薬とは別の破壊力の

        凄まじい爆発物の大量生産が可能となったのです。


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       これは、昔のアンモニア工場が 大爆発して消し飛んだ写真ですが、

      戦後の日本では、アンモニアというのは、蜂に刺されたときに 薄く塗る

      薬として用いられていますが、 ずっと人間の指を、アンモニアに漬けて

      いると、人間の肉は溶けていくのです。

      そういうことで、 長時間に何度も塗ると、肉が壊死して溶けて毒に

      なるのです。

      そして、 1分違うと、 大爆発を起こす 物質なのです。


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 ところで ユダヤ人のフーバー博士にドイツ政府が1914年に依頼した研究という

 のは、 ガソリンや、オイルの不凍液の研究でありました。


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     当時のドイツ陸軍の物資の運搬は、馬車が主流でした。

     ところが この時期から小数ですが、ガソリントラックというのが戦争に

     使われ出したのですが、 説明したように、冬季に エンジンが凍り付いて

     ガソリンやオイルが凍結して 使用が不能になると言うトラブルが続出

     したのです。


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       これらの ガソリンや オイルに 不凍液を研究して、造りだし

       添加することで、 凍結を防ぐ溶液が求められていったのです。



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        これらのフーバー博士の研究は、後の世に大いに利用されるように

        なっていくのですが、 ちょうどこの研究を行っている時に、 フランス

        に潜り込んでいるドイツのスパイから 恐ろしい情報がもたらされるの

        です。



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         その情報とは、戦局を左右するような 大変恐ろしい兵器に関する

         情報であったのです。


        【 明日に続く。】