第1391回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第1390話 ヒットラーの入党の事。 2015年12月24日木曜日の投稿です。
王国の軍隊の兵舎に、 諜報組織の本部があり、 ここに、カール マイヤー大尉
が司令部を置いていたのです。
目付諜報員の ヨハンが帰隊して、 マイヤー大尉に報告したのです。
トントン 「 だれか。」 「 ヨハン報告に来ました。」 「 よし、はいれ。」
と、 マイヤー大尉が入室を許可すると、 敬礼の後、「 報告します、 ヒットラー
伍長は、本日、ドイツ労働者党に、入党し、 以後、党内状況を 逐次 報告する
とのことであります。」 と、ヨハンが報告すると、 マイヤー大尉は、無言で、
びっくりしたような 顔をして、「 あの、髭の伍長、 使い物にならんと考えてい
たら、なかなかやるじゃないか、 でっ、 どうして 鉄道補給所の職員でもない
のにドイツ労働者党に、入党できたのか。」 と、ヨハンに問うと、 「 自分にはよく
わかりませんが、演説会場で ドイツ労働者党の面々と、ヒットラーが友人に
なった様であります。」と言うと、 マイヤー大尉は、「 よくわかりませんとは、
一体どういうことか、 貴様は いったい自分の役目をなんと心得ておる、すぐ
調べて、報告せよ。 相手に気づかれるなよ。」と、 不機嫌そうに命令を出し
たのです。
の入党者となったと、説明があったようですが、 どうも、作り話のようで、
正確な日にちは、よくわかっていないようです。
戦後の研究で、 ヒットラー側の党員資格証は、偽物と言う事が判明していて、
研究している人の間では、 当時、ドイツ労働者党は、50人程度で、 党員資格
証など、無かったという説を唱える人もいて、よくわかっていないようです。
はっきりしていることは、 ミュンヘンの駅の鉄道に 水や、燃料を積み込む
労働者で結成されていたドイツ労働者党の党員は、鉄道補給所の職員で
構成され、 みんな日中は、仕事に追われていたようです。
ここに、ヒットラーが、軍の負傷の年金暮らしで時間があるので 党務を
手伝いますと言って、 党首の アイトン ドレクスラーの紹介で入党し、
みんな 疑うことなく、 ヒットラーにドイツ労働者党の仕事を御願いしていった
というのが実態のようです。
みんな忙しいので、 給料を取ることもなく、 党の雑務をやってくれる
ヒットラーは、便利が良かったようですが、 実は、 内情を探索していた
ようです。
ドイツ 労働者党は、 とんでもない 諜報員のヒットラーを
党に招き入れて、 どんどん、党内情報が、 マイヤー大尉に
流れて行くことになって行ったようです。
【 明日に続く。】