第1437回昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
第1436話、「人質を救出せよ。」の事。 2016年2月8日 月曜日の投稿です。
ところで、 1923年 日本の大正12年11月8日が終わって、日付が9日
に入り、数時間後、 ルーデンドルフ陸軍大将の前で、偽りの芝居を打って、
演説会場から逃げ出した、 カールバイエルン州総督、ザイザー治安警察長官
ロッソウ陸軍少将達は、 それぞれの庁舎に走って戻ると、 非常事態を宣言し、
上の下のと大騒ぎになったのです。
会場を銃を持って占拠し、 会場に話を聞きに来ていた人、数百人を人質に
しているらしいと言う情報は、ミュンヘンの町を震撼させたのです。
【 カールバイエルン州総督 】
カール総督は、 すぐさま兵力を整えて、 演説会場や、ミュンヘンの町
の中を歩き回る、不貞の輩を逮捕し、 抵抗したら躊躇せず、射殺するよう
総督命令を出したのです。
【 バイエルン州 第7師団 司令官 ロッソウ陸軍少将 】
この総督の命令に、意見具申したのが、ロッソウ陸軍少将でした。
ロッソウ陸軍少将は、 人質の生命が第1であって、 演説会場を力攻め
すれば、死傷者が増えるので、 まずは夜明けを待って、偵察隊を出して、
現状を良く掌握して、対処すべきだと申し立てたのです。
ザイザー治安警察長官は、この説に賛成し、 まずは、ヒットラー達を
人質の監禁されている会場から引き離して、 少数の見張りしかいない状態
にして、 人質を救出すべきだと意見具申したのです。
演説会場に 1000人近い人質、 これと一緒に1000人以上の武力革命
を叫ぶ、国家社会主義ドイツ労働者党のメンバーが一緒では、 軍事力で
力攻めすると、その先どうなるかーーー、 例え武力討伐して、事が沈静化して
もドイツ全土から、カール総督に非難が集中すると考えたわけです。
ロッソウ陸軍少将達は、 なにか、エサをまいて、 ヒットラー達をおびきだし、
後から演説会場を強襲して、 監禁されている人を救出することを考えたのです。
ミュンヘンの町は、 早朝から大騒ぎになり、 これらの話を確かめようとする
野次馬のような市民や、 一緒に武力革命に参加しようという、羽アリのよう
な、考えの浅い市民や、 郊外の知人の家に避難しようという人達で、騒然と
なって行ったのです。
そして、 11月9日の 日の出を迎えたのです。
日の出と、同時に、レームの手配していた、各地の民兵組織が続々と隊列
喜ばせたのです。
いろんな地域から、 ドイツ人だけの平和な社会を築こうという、そういう
驚いたことに、 ミュンヘンの町の裁判所の職員や、判事までが、世直しを
叫んで、 不良外国人排斥を叫んで、 ヒットラー達の元に集合してきたのです。
ヒットラー達は、 はせ参じた人々に、面会し、 堅く握手をして、ベルリン
への行進を約束したのでした。
ヘルマン ゲーリング元帥のお話によると、 当時正確には人数が不明
ながら、 ヒットラー総統の元に、駆けつけてきた人数は、3000人から
3500人程度であったそうです。
ミュンヘンの町は、 マグマがたまって 噴火する一歩手前の状況に
なって行ったのでした。
【 明日に続く。】