第1546回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】
第1545話 イギリスとの同盟の事。 2016年6月17日金曜日の投稿です。
副総統が語ったお話というのは、後のナチスの外交、軍事の指針になって行った
のです。
ヘス副総統のお話は、我々が刑期を終えて、出所して娑婆に戻ったら何をすべ
きか、 どういう政策を世間に訴えて行くか、 それを考えた時に、先の大戦で
失ったドイツの領土を 知恵を出して回復することが、ドイツ国民に注目され、
支持を受ける事柄の大切な問題であると定義されたのです。
ドイツの旧領土を回復するにはどうしたら良いか、 1番に手を打つことは、
イギリスと 見せかけでもよいので軍事同盟をドイツは結ぶべきだと説いたの
です。
当時 イギリスは、第1次世界大戦をフランスと協同して戦ったのですが、ヨーロ
ッパで、これ以上 フランスが大きくなっていくのは イギリスには脅威であったの
です。
それはどういうことかというと、 フランスが大きくなり、世界各地に多くの植民地を
当時持っていて、 さらに大きくなっていくと、その後、イギリスを脅かす存在と
なる事を懸念して、 フランスの力を削ごうと考えていたのです。
ここに、ドイツは イギリスと軍事同盟を結ぶことで、 フランスやベルギーの
軍隊の侵略を抑止し、 イギリスと見せかけの同盟を保ちつつ、うまい具合に
東側の 旧ドイツ領を 占領していこうという こう言う考えであったのです。
イギリスの抑止力を利用して フランスとベルギーを牽制しつつ、当時占領
されていた ルール地方の 炭鉱地帯を外交と軍事力で牽制しながら撤退を
巨大なドイツ人だけの 第三帝国を作り上げようという途方もない構想で
あったのです。
キツネにつままれたように 無言で聞き入っていたヒットラーにヘス副総統は
話を続けたのです。
「これらの失った領土を ひとつひとつ、 国家社会主義ドイツ労働者党が、
外交、軍事を硬軟織り交ぜ、 領土を回復していくと、 国民は拍手喝采し、
必ずや、 総統の威信は急上昇し、 党は 大きく発展するに違いないと続けた
のです。
そして、 ドイツの旧領土、 北海沿岸のバルト諸国、 ポーランドを再度
ドイツ領土とし、先の大戦で反乱を起こしていった 異民族を追放し、ここに
ドイツ民族だけの第三帝国を建設するのです。」 と、語ったのです。
その次はどうするのか。」 と 問いただしたのです。
ヘス副総統は 独自の東方理論を ヒットラーに話して聞かせたのです。
【 明日に続く。】