第2241回 週刊 モデルガンパーク By 模型公園

みなさん こんばんは模型公園です。 2016年9月11日日曜日の投稿です。




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                       週刊  モデルガンパーク




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       毎週 日曜日恒例の モデルガンのお話をするコーナーです。




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          本日のお話は、皇軍 九七式 狙撃銃のお話です。




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  日本陸軍では、第1次世界大戦こと、欧州大戦の塹壕戦で、狙撃銃が

威力を発揮していることに当時注目し、 大戦後、ドイツ製のスコープを押収

して日本に持ち帰り、 日本光学という会社【現在のニコンの前身】で分解して研究

することになって行ったのです。

ところが、 普段は使用出来るのですが、雨に濡れたり、ホコリが入ると

満足に使用出来る品物の試作が難しかったようです。


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 昭和7年頃始まった、上海事変では、 ドイツ製の小銃で建物から狙撃する支那

 国民党の狙撃兵に多いに悩まされる事になり、我国でも、「狙撃銃を揃えるべし。」

 という意見が強くなっていったようです。

そして それを後押しする出来事というのが、 226事件の翌年の昭和12年8月

から始まった、第2次上海事変、 支那事変などの大陸での武力衝突であったよう

です。
 
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   当時 使用していた 三八式歩兵銃に、 ボルトを交換して、スコープマウント、

   低倍率 2,5倍のスコープを装着したモデルでした。


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    通常の三八式歩兵銃は、ボルトの取手が水平なのですが、 角度が付けら

   れています。


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   正式名称は、九七式 狙撃銃  昭和14年3月7日 正式採用でした。

   菊の御紋と 九七式と、刻印が入っています。



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   実は、このスコープ、前線での微調整が全く出来ない品物で、倍率も2,5

  倍と低く、 近距離ならともかく500メートル程度離れると、精密射撃には困難

  であったようです。

  と言うのか、 中国大陸は砂ホコリがひどく、 試作品の微調整可能な倍率が

  高いスコープは故障してしまうそうで、 現在と比較すると、性能の低い品で

  した。



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               ノーマルの三八式と 九七式を比較して見ました。

            バイポットと、ボルトの取手が大きな相違点です。



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     上の画像が、 上が九九式狙撃銃で、 真ん中が九七式狙撃銃です。

     全長が随分違うことがわかります。



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   こうして比較すると、 昭和14年に正式となった、九七式と、昭和17年に

   正式採用となった九九式とでは、 スコープも随分性能がよくなったそうです。    


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  ところで、この九七式狙撃銃、 おそらく初期の1番はじめの生産品のようで

  カート、 説明書 革スリング、 オリジナル元箱も揃っていて、なかなか

  珍しい未発火の保存状態のよい品でした。


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    今日は、 三八式歩兵銃殿と、九七式狙撃銃殿と、九九式狙撃銃殿

    を お世話したら 疲れてしまいました。




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         それではみなさん、 良い 日曜日の夜をお楽しみください。


       【 明日に続く。】