第1672回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】

第1671話 第43潜水艦 海底の刻印の事。 2016年10月27日木曜日の投稿です。




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       【 大正13年撮影 佐世保防備隊 講堂での遺骨の引渡式の様子】


  今日の昔話は、大正13年 1924年3月19日の朝、長崎県佐世保市相浦の

沖合で、軽巡洋艦 龍田に衝突され沈没した第43潜水艦のその後の艦内調査で

発見された 書き込みのお話しです。



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        【 大正13年 撮影  掌帆科 の文字版に刻まれた文字 】


  第43潜水艦の 殉職者 45名の葬儀が終わり、佐世保海軍工廠などによる

 沈没した第43潜水艦の艦内の内部調査が始まったわけです。

 これらの事は、どういうことかというと、 どのように艦内に海水が浸水していったの

 かを調査することで、彼等の死を無駄にすることなく、後の潜水艦の建造に生かそう

 と、こう言う試みであったのです。

 その最中、発見された 死者の文字を紹介したいと思います。

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   各員 たん大なること大海のごとく 各務に勤むこと 鬼神の如し。本田


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とあります。

 たんだい とは、 戦前の文字で 現在文字がないので、 ひらがな 標記した

のですが、 おおいに、やすらかなる と言う 意味合いのようです。


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         【 第43潜水艦  本田 宗秋 海軍二等水兵 熊本県出身 】



      本田 とあるのは、 本田 宗秋 二等水兵【 死後 一等水兵】のことと

    推察されます。

    当時、錆び落としなどで使用されていた スクレッパーという工具があって

    それで 文字を書き入れた物と思われます。

    みんな 最後まで 取り乱さず、軍人の本分を全うしたと、こう伝えたかった

    ようです。


     【 明日に続く。】