第1676回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語】
第1675話 第43潜水艦 海底の刻印その5の事。
2016年10月31日月曜日の投稿です。
の沖合で、軽巡洋艦 龍田に衝突されて沈没した第43潜水艦の乗組員の刻んだ
遺書の紹介の5回目です。
【 大正13年撮影 第43潜水艦 本田 宗秋 二等水兵の遺書 】
前話からの続きでーー。
暗闇の中で、鋭利な物で ドアのつけねの柱に傷がつけられた文字を
解読して見ると おおよそ 次の様になります。
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MH生告別
水中信号の声を神の声にして行く幸よみな元気なり
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上の せい又は こえ と言う読みの漢字は、文字がないのですが、
おそらく、声 という意味合いで 刻まれた物と思います。
水中信号というのは、 第22潜水隊の 第41、及び 第42潜水艦が
当日 佐世保軍港を一緒に3隻で出港していて、 そのうちの1隻が
事故海域で 潜行して、 水中信号を発していたようですが、 聞こえていた
ようです。
M H という文字は、 おそらくですが、水雷室勤務の 本田 宗秋 さん
と推測されます。
他の人の遺書の中に当時艦が 右に50度程度傾いていたと記述があり、
海底に沈没し、閉じ込められ、足元から海水が少しずつ増えていく中、
死を覚悟して 刻んだ物と推測されます。
【 明日に続く。】