第1723回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語 】

第1722話 熊本第6師団の事。 2016年12月18日日曜日の投稿です。





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               【  熊本歩兵第6師団 司令部 熊本県 】


   ところで、前話で紹介した、上陸部隊の主力の 熊本歩兵第6師団という

  部隊はどんな部隊であったかというと、 その司令部は、西南戦争の舞台と

  なった、熊本城内にあったのです。

  日清戦争の前年の明治26年の11月に 旧薩摩藩の黒木為楨【くろき ためもと】

  陸軍少将が 中将に進級し、 この地の師団長として統帥していたのです。



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    【  熊本第6師団 師団長 黒木 為楨 陸軍中将 鹿児島県出身】



   黒木 陸軍中将は、どんな人であったかと言うと、 薩摩藩藩士で、戊辰戦争

  では、第4番隊の指揮官として活躍し、 鳥羽伏見の戦いでは、「 突撃、突撃。」

  で、幕府方に痛打を与え、 勝利に貢献し、征討軍として、東北鎮定にも活躍した

  歴戦の強者で、 広島第5師団の師団長の野津 道貫 陸軍中将とは、ライバル

  関係で、 両者が、「 おいは。」 「 おいどんは。」と、 対立する関係にあったの

  です。  



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    ところが、 山縣 有朋公のお供をして 一足先に出陣した、広島第5師団

   の野津 陸軍中将が、清国軍と戦闘で勝利し、 当時の陸軍大臣の 大山

   巌 陸軍大将と肩を並べる、 第1軍の総司令官に就任したことを知ると、

   九州の熊本にあって、 イライラしていたようです。



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   そんな時に、 隠密に「佐世保に転進し、輸送船に乗艦し、命令を待て。」と

 大山 巌 第2軍総司令官より命令が来たわけです。

 黒木 陸軍中将は、ヒザを叩いて、 「 者ども、 出陣でごあす。」と、熊本を

 出陣したのですが、 当時の兵士は、軍靴をはかず、素足に草鞋姿であった

 そうです。

  さすがの歴戦の強者、 黒木 陸軍中将も、中国大陸の寒さは想像してい

 なかった様です。

  

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    熊本を出る前に、黒木師団長に、冬期装備の連絡を行い、充分な

   防寒具などを揃えて、大陸に進めば良かったのですが、 後に多くの被害を

   出す原因になっていったのです。


    【 明日に続く。】