第1727回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第1726話 井上 光 陸軍大佐の事。 2016年12月22日木曜日の投稿です。






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    明治28年の1月の初旬 日清の戦争の戦況というのは、寒波が到来し、

   マイナス30度程度の極寒の気象条件から、 海城付近の 名古屋第3師団

   広島第5師団なども動きが止まり、 膠着状態になっていったのです。



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       第1軍の前線が雪と吹雪に閉ざされていた当時、第2軍は何を

       やっていたかというと、 山東半島の攻略の準備を行いつつ、清国の

       残党兵力の追討を行っていたのです。



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         威海衛の軍事要塞に逃げ込んだ 清国海軍は、日本の海軍に

       包囲されたのですが、 強力な陸上砲台の射程が、艦載砲より射程

       が長かったので、 これに砲撃され、中破したところに、清国海軍が

       出撃して、 とどめを刺される恐れがあり、 ここも膠着状態のにらみ

       合いが続いていたのです。



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      陸軍では、これらの清国艦隊が 艦艇の修理を終えて、 再度出撃して

     来るまでに、 清国艦隊をたたきつぶす必要があったわけです。

     これらの清国艦隊が 日本陸軍の輸送船を攻撃して 沈められることを

     大変に恐れたわけです。


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               【 第2軍 総司令部参謀 井上 光 陸軍大佐 】



 当時の陸軍の第2軍の作戦は、 井上 光 陸軍大佐が取りまとめていて

 井上参謀の立案した 囮強襲作戦が実行される事になっていったのです。



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       この作戦には、海上移動する必要があるので、どうしても海軍と陸軍

      が協力して作戦を実行することが不可欠であったのです。

      そこで、 連合艦隊より 4隻の艦艇が抽出され、この作戦の先陣を

      海軍が承ることになっていったのです。



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      1895年 明治28年1月20深夜、 日本海軍の第一陣は隠密に

      旅順軍港を出撃して行ったのです。

      この作戦は、戦後多くを語られることはなかったのですが、当時としては

      陸海協同の大作戦であったのです。



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      旅順から、先陣の部隊が出撃していた頃、 佐世保からは、熊本の

      第6師団の将兵を載せた 輸送船団が隠密に出港し、山東半島

      めざしたのでした。


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            【  熊本第6師団 師団長 黒木 為楨 陸軍中将 】


    第1軍の 野津 陸軍中将に先を越された形となっていた、黒木 陸軍中将

    は、 「 おいも大暴れしもんそう。」と、 山東半島に急いだのです。


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    当然、これらの陸軍の輸送船団の護衛は、海軍の第2艦隊の任務で、

    日本は海に囲まれた島国なので、 海上戦力というのは、なくてはならない

    重要な戦力であったのです。

    もし、海軍が弱ければ、 陸軍の将兵がどんなに精強でも、海に沈んで

    しまう事になるからです。

    いよいよ、日本陸海軍による 山東半島攻略作戦が発令されたのです。
 

     【 明日に続く。】