第1770回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】
第1769話 近衛第3連隊長の死の事。 2017年3月26日日曜日の投稿です。
1895年 明治28年の8月、大陸から乙未戦争の為、台湾に転進して
来た、青森歩兵第5連隊の連隊長 渡部 進 陸軍中佐など、数百名が
原因不明の伝染病で倒れ、 騒動が広がっていた当時、同じ台湾に駐留
していた、 東京の近衛第3連隊の連隊長 中岡 祐保 陸軍中佐が、お
かしな症状を訴えて、立つことが出来なくなっていったのです。
【 近衛第3連隊 連隊長 中岡 祐保 陸軍中佐 】
当時の言い伝えによると、 青森第5連隊の面々は、赤い血の便が出て、
多くの兵士が動けなくなっていったのですが、 近衛第3連隊の場合は、また
違った症状であったのです。
どんな症状であったのかというと、 なんと、白い便が出る病気であったと
伝えられていて、 当時、 白くそ病とか、 そんな名称で呼ばれ、この病気が
次々人に伝染して行ったそうです。
2千人の部隊の連隊長が倒れるわけで、 多くの将校や、下士官、兵が
伝染病で動けなくなり、 また、 薬もないわけで、 暑いかんかん照りの
台湾の灼熱の地に、 隔離と称され、放置され、満足に治療も受けられず
多くの人が亡くなっていったのです。
後の研究者のお話では、 コロリではなかったのかと、言われています。
コロリとは、 ころんとひっくり返って、死んでしまうことから、日本人がそう
呼んでいたもので、現在ではコレラと呼ばれています。
後の研究によると、 このコレラと言う病原菌が入ると、人間の腸の中で
爆発的に繁殖して、 1日に下痢の症状が30回程度続き、 不思議なことに
体温が34度程度に低下し、 みなさんも長く風呂に入っていたり、海を泳いで
いたりすると、 指にシワが入ることがあると思いますが、全身がそんな皮膚と
なっていき、 白い便が出て、 動かなくなって死んでいくそうです。
これらの病原菌の住かは、 現在の研究では、人の糞尿の中や、汚い汚れた
水の中に生息していると言われていて、 人糞を 肥だめの中に貯めておいて、
畑にまいたり、 そういうまいた物に、 ハエなどの昆虫、 小鳥などの鳥などが
接触して、これらの菌が運ばれていき、 人間の体内に入ると 発症すると
言われています。
当時は 医療水準が低くてわからなかったようです。
そう言うわけで、 有機肥料と称して、 畑で人糞をまいたり、 畑の一角に
肥だめを作って 人糞を発酵させる人がいますが、 衛生上良くないようです。
当時の台湾という場所は、 日本人が知らない伝染病があったそうで、それら
に感染して、 多くの人が動けなくなり、そして、治療法がわからず、ただ、隔離
と称して、灼熱の大地にならべられて、死んでいったそうです。
【 明日に続く。 転載、コピー可 自由です。 】