第2028回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語 】

第2027話 第1次 露朝密約事件 閔 泳翔の変心の事。

                          2018年1月1日月曜日の投稿です。





イメージ 1



  日本の東京で、 メレンドルフ 外務協弁達と、ロシア帝国のアレクサンドル

ダヴィドフ 公使達が、 朝鮮半島の元山の周辺のロシア帝国への割譲話と、

ロシア帝国の軍事支援の要請を行っていた当時、 大朝鮮国の首都 漢城では

袁世凱【えんせいがい】将軍が、活発な動きを開始したと言われています。


イメージ 2



   彼は 水面下で 清国の代表者の自分に隠れて 何某かの陰謀が始まって

いると悟り、 ロシア公使館や、いろんなところに密偵を張り込ませ、監視を厳に

していたそうですが、 ついに しびれを切らして、右営使 であった 閔 泳翔に

面会を求め、 脅迫を行い、立場をはっきりするよう強談に及んだと言われてい

ます。


イメージ 3
 



  どういうことかというと、「 清国側に立って、協力するのか、 しないのか、

 返事の次第では、 首が胴から離れる事になる。」と、 すごんだそうです。


イメージ 4




      そして、左議政の金 弘集 や、金 允植や、 金 晩植 や、魚 允中

   は、すでに、清帝国に協力を表明し、 こちら側に付いたと語ったと言われて

   います。



イメージ 5



                   【国王 高宗の 妻  閔妃 びんひ 】

袁世凱将軍は、 「 つまり、清帝国にこのまま協力し、身の安泰をはかるのか、

閔妃に協力して、死ぬのか、 はっきり態度で示すように。」と 閔 泳翔 右営使に

強談に及んだのです。


イメージ 6
  


  こうして、 閔妃を中心とした一派が、清国に内緒で進めようとしていた、元山

 一帯をロシア帝国に渡して、 得たお金で 独自の軍隊を錬成し、清国をロシア

 人を用いて、追い払おうという計画は、 閔氏の一族の実力者 閔 泳翔によって

 袁世凱将軍の前で ほとんど歌われてしまい、 計画が露見したと言われてい

 ます。



イメージ 7



  袁世凱将軍は、閔 泳翔から ロシア帝国との交渉の計画を聞くと、 「 朝鮮

は、あくまでも 清帝国の 属国であり、 何事も、清帝国の指図に従うのが、昔

からの慣例で、 清国に無断で ロシアと交渉して、 元山港と その周辺の海域を

ロシア帝国に渡すなど、許されない行為である。」と 腹を立て、 多いに立腹したと

言われています。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



イメージ 8



    当時の閔妃を中心とした 閔氏の一族は、当初は清国人を利用していたの

 が壬午事変を境に、立場が逆転してしまい、 清国人の横暴に嫌気がさし、なん

 とか追い払おうと考えていた、 そこに、 大日本国の 参議 筆頭の伊藤 博文

 公が 清国の軍勢を朝鮮半島から撤退させる話をまとめてくれた。

 今、この時期に、ロシア帝国と話をまとめて、 ロシア帝国の力を利用して、清国人

 の官僚も追い払おうと計画していたのが、 ばれてしまった ようです。


イメージ 9



    国王の 高宗は、暗愚のおとなしい人で、 妻の閔妃が一族と語らい、

   開国を行い、なれない対外貿易で多額の赤字を計上し、運が悪く、干ばつと

   水害が重なり、 農業生産が低下して、 そこに、前の権力者の 大院君 興宣

   とその一派が、反乱を起こし、 どんどん 国が傾いて行ったようです。

    自らに力が無いので、 清国や、ロシアなどを利用しようとした、 つまり、

   虎や狼を 自ら国の中に招き入れてしまった。

   これが、大朝鮮国が無くなっていった原因だったようです。


   【 明日に続く。】