第2113回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語】

第2112 話  明治19年8月の第2次露朝密約事件 国王 高宗の廃位のこと。


                           2018年3月27日火曜日の投稿です。




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       【 明治時代初頭の 大朝鮮国の首都 漢城 こと、現在のソウル】 



 【 前話からの続きより。】



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                    【 大朝鮮国  国王 高宗 】


   1886年 明治19年の8月、 清国の朝鮮半島の実質的支配者であった

  袁世凱 【 えんせいがい】 将軍は、 大朝鮮国 国王 高宗が、ロシア皇帝

  に対して、 朝鮮半島に出兵を要請して、 自分達を放逐しようとしていると

  考え、激怒して、ついに 高宗を 廃位させ、 だれか 王族の かかしのような

  暗愚な、コントロールしやすい人物を捜して国王を 付け替えることを計画する

  に至ったと 伝えられています。



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      【 明治17年 自由民権を叫んで 武力決起した 金 玉均 氏 】


  前年の明治17年の 甲申事変では、 勅令を 金 玉均が 国王印を勝手に

  使用して 押印 したということで、 高宗を見逃して、処分無しとしていたそう

  ですが、その後、 第1次露朝密約事件でも、 高宗がロシア帝国と秘密交渉

  していた当事者と言われていたのを、 見逃していたのですが、 明治19年

  の8月 ついに 我慢の限界を超えていったようです。



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             【 朝鮮駐留  清帝国 袁世凱 えんせいがい将軍 】


  当時、袁世凱将軍は、 国王 高宗をこのまま放置すると、朝鮮半島各地で

 国王の内意を汲んで 武装蜂起する反乱が発生するに違いないと考え、王宮の

 一室に、国王 高宗を監禁し、 清国に楯突こうとする 朝鮮人の一掃を始めた

 と言われています。

 そして、 「 大朝鮮国 国王 高宗は、 清帝国 皇帝陛下の 臣下ながら

  謀反を企み、 ロシア帝国と通じて、反乱を起こそうとした。」と、発表し、廃位

  に向けて着々と手を打っていったと言われています。


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               【 外務協弁 であった メレンドルフ 】


そのような情勢の中、 寧波で、静かに暮らしていた、 前年まで 大朝鮮国

の外務協弁であった、 メレンドルフ は、ドイツ人商人から、国王 高宗 廃位

の情報を得て、 ドイツ人貿易商に誰も読めないであろうと、わざと ウクライナ

語で書かれた手紙を ある人物に送ったと言われています。

 彼は、身は 清帝国にあって、 失脚して 放逐されたのですが、 高宗の事を

 随分心配していたそうです。

 また、高宗も、 北洋大臣 李鴻章に メレンドルフ を朝鮮に戻すよう、親書を

 書いて送るなどしていたそうで、両者とも 信頼関係があったようです。


 【 明日に続く。】