第2116回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第2115話 第2次露朝密約事件 袁世凱ウェーバー会談の事。


                       2018年3月30日金曜日の投稿です。




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          【  明治時代初頭の 漢城 こと 現在のソウルの風景 】



     【 前話の続きより。】


  1886年 明治19年 8月 日本の長崎で 清国海軍将兵と、長崎県警察

 が市街戦を展開していた当時、 対岸の朝鮮半島では、 実質的に 朝鮮半島

 に君臨していた、清帝国袁世凱【 えんせいがい】 将軍と、 対立関係に

 あったロシア帝国の朝鮮公使館 ウエーバー公使との間で、今後の事で会談が

 行われたと言われています。



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         【  清帝国  袁世凱将軍  朝鮮人に恐れられていた。 】


  袁世凱将軍は、 ロシア帝国の 朝鮮侵略未遂事件と、挑発行動を、国際法

 違反行為と、こきおろして批判し、ロシア帝国公使館 ウェーバー公使は、「 誤

 解である。」と、繰り返し申し立てたと言われています。

 これを 聞いた 袁世凱将軍は、「 ふぅん 口は 重宝だ、 白々しい。」と、

 聞く耳を持たなかったと言われています。


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         【  ロシア帝国 朝鮮公使館 ウェーバー公使  】


  ウェーバー公使は、「事件に関与しておらず、 朝鮮国王の使者が しらない間

ウラジオストック に行って、 ロシア皇帝に親書を持参し、現地の官吏が対応に

苦慮して、内容を精査すると、 フランスに清帝国が敗戦し、 心許ないので、大朝鮮

国が、フランスやアメリカやイギリスなどの第三国に攻められた場合、援助する条約

を結びたいとの文章であったと報告があり、 私も 初めて内容を知り、受け取った

官吏は丁重に国書を使者に返却し、「ここでは受け取れない。」と、回答し、使者に

ヨーロッパに回るように申し渡したと報告が来ており、将軍は何か思い違いをされて

いるようです。」と、申し入れると、袁世凱将軍は 短気を起こし、 「 そんな 話し

を聞くために お前と会ったのではない。」 と、大声で叫んで、 しずかに低い声で、

「こちらの清国の申し入れを ロシア帝国は 承諾するのか、しないのか、 返事に

よってはただではすまさんぞ。」と、脅迫したそうです。



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その袁世凱将軍の要求とは、 朝鮮半島ロシア帝国が侵略して占拠したり、

清国に相談なく、 朝鮮王朝と交渉して 領土割譲や、租借話を行わず、 朝鮮は

清帝国の属国で、 清国皇帝が何事も決定権を持っており、 すべて清帝国皇帝

陛下の代理人の 自分を通じて外交交渉を行い、無断で朝鮮国王とつるんで

謀叛を疑わせる行為を行わない事。 そして 前年問題となった 清帝国の知らない

間に締結されようとしていた 朝鮮半島の元山港周辺の 領土と海域をロシア帝国

に譲り渡す租借話を放棄し、以後、ロシア帝国は 朝鮮半島にちょっかいを出さな

いように公式に 清帝国と約束するように迫っていったと言われています。



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【 当時 ロシアが朝鮮から租借したと申立て、領有権を主張していた元山周辺】




  ウェーバー公使は、「 1つだけ条件を認めていただけたら、申し入れを承諾

 します。 その条件とは、朝鮮国の先々の為にも成り、 清帝国の為にも成り、

 袁世凱将軍 貴方のためにも成り、 そして ロシア帝国の為にもなる条件です。」

 と語り、 袁世凱将軍が、「 ほうーーーっ その条件とはなんだ。」と問うと、

 ウェーバー公使は、その 条件を語り出したと言われています。


  【 明日に続く。】