第2119回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第2118話 第2次露朝密約事件 大朝鮮国 国王 高宗のこと。


                             2018年4月2日月曜日の投稿です。



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                 【 大朝鮮国  国王 高宗 【こうそう】 】


  1886年 明治19年8月、 清帝国の 袁世凱将軍 や、 それに従う 朝鮮人

 事大党【じだいとう】の官吏らに、監禁されていた 高宗は、 監禁を解かれ、元の

 生活に戻ったそうですが、 周囲の宦官【かんがん】や、 側近から、ロシア公使

 ウェーバー公使が、 袁世凱将軍に掛けあってくれて、 袁世凱将軍が静かに

 なったというお話しを聞いたようです。


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 【  当時の朝鮮駐在 ロシア公使館 カール イバノビッチ ウェーバー公使】


  お話しを聞いた高宗は、 自らの廃位が消えたことに 多いに安心して、以後、

 ウェーバー公使を 信頼し、何かにつけて 頼るようになって行ったと伝えられて

 います。

  ここが、 大朝鮮国がなくなっていった 根本的な事で、 自らの力を使わず

 ウェーバー公使を利用すると言うか、 頼って、 何事も行って行こうとしたことが

 大きな間違いの第一歩であったようです。



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   ところで、 ウェーバー公使は、清帝国の 袁世凱将軍らと、公式に、ロシア

 帝国が朝鮮半島に野心を示し、 租借や、割譲要求は行わないと、現地で約束

 したのですが、 ロシア帝国 皇帝は その話は全く知らず、 逆に、 朝鮮半島

 のどこかの港を手に入れろと、 次々 漢城のロシア公使館に命じてきたそうです。


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        【 漢城 こと 現在のソウルの ロシア帝国 公使館 】


  ウェーバー公使は、その命令を、あの手この手で、のらりくらりと引き延ばし、

 次第に、袁世凱将軍と 相談しながら、 ロシア帝国を 裏切るというか、朝鮮

 半島の 混乱を避けるために、 ニセの報告を 本国に送るようになって行ったと

 言われています。

 


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  配下の諜報組織からの報告で、 現地でロシア公使が 自分達と公式に

 協議して、 決めたことに対して、ロシア帝国政府が同意を行わず、 清国と

 ロシア本国との間で、 ウェーバー公使 が板ばさみになっていることを知ることに

 なった 袁世凱将軍は、 ロシア帝国の朝鮮進出を阻止する為に、 ウェーバー

公使と たびたび 打ち合わせを行って、協力というか利用するようになっていった

と言われています。


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    ロシア本国では、 朝鮮公使 ウェーバー公使は、 その行動がおかしいと

   悟ったのか、 本国に召還命令を出して、 別の人物を 公使に任命したと

   言われています。

    それは、 大日本国の 東京府の ロシア公使館で、 第1次露朝密約事件

    の時の交渉役であった 人物でありました。

    ロシア政府は、 1年間 海面が凍結せず、使用出来る港を極東に確保する

    方針を 変えようとはせず、 成果の上がらない ウェーバー公使を外す決断

    を行ったと言われています。



   【 明日に続く。】