第2153回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語】
第2152話 東和洋行ホテル事件 凶器の回転式拳銃の事。
2018年5月12日土曜日の投稿です。
【 上意討ちを行った 洪 鐘宇 氏 】
【 前話の続きより。】
日本の東京府の外務省が上海入りした 金 玉均 氏らの動勢を調査する
決定をした当時、 金 玉均 氏は、上海の 東和洋行ホテルの2階の5号室の
廊下で血まみれで殺害されているのを、 3階に宿泊していた、日本海軍の
島崎海軍大佐なる人物に発見されたとされていて、その殺害に使用されたという
回転式拳銃がどこで、だれによって、 東和洋行ホテルの2階に持ち込まれたの
かについては諸説があるのですが、1番有力な説は、 上海に到着した当時の
夜 姿を消していた 呉 静軒 なる人物が 翌日の早朝、東和洋行ホテルの2階
の自分の部屋の2号室に戻って来た時に持ち込んだとされています。
どういうことかと 福沢諭吉先生達が調べたところ、 和田 延次郎 少年の
証言から、夜 洪 と 呉 の二人は、 東和洋行ホテルの2階の2号室から
外出し、 そして、後に二人は別行動をとり、 呉はどこかに出向いて、回転式
拳銃を誰かから受け取って、 人に見られぬ早朝の薄暗い時間帯に、東和洋行
ホテルの2階の2号室に持ち込んだとされています。
壁1枚隔てた、隣に、 金 玉均 氏と、 和田 延次郎少年が寝ており、
聞かれぬように、 小声で 洪 と 呉は、回転式拳銃の受け渡しと、使い方を
洪 鐘宇 に伝えたとされています。
回転式拳銃は、見つからないように 寝台の下に隠され、 そして、朝
呉は、 となりの 金 玉均 氏の部屋に出向いて、「 清国の北洋大臣
李鴻章閣下の 様子を見てくる。」と、 虚偽の意志表示を示し、 金 玉均氏
の許可を得た後、 東和洋行ホテルから外出し、2度と戻ってこなかったと
されています。
こうして、 暗殺者 洪 鐘宇 は、当初 武器など持っておらず、手荷物だけ
であったのですが、 金 玉均 氏達が知らない間に、回転式の拳銃を呉から
受取り、 金 玉均 氏の命を狙うことになって行ったとされています。
【 明日に続く。】