第2204回 昭和の伝道師 【戦中、戦後のパイロットの物語】

第2203話 乙未事変 小村壽太郎、金 弘集会談のこと。



                        2018年7月3日火曜日の投稿です。




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  【 前話の続きより。】


  「 ロシア軍が朝鮮半島に軍事介入し、 国王 高宗を担いで、親露政権を

 樹立すると ややこし事になる。 

 何としても、早急に、こちらで国王 高宗を救い出し、 朝鮮半島に 親日政権

 を維持する必要がある。」 

 「 高宗を わしらぁで 救い出すんじゃ。」 という、 当時の内閣総理大臣

 伊藤 博文 公の方針で、モールスによって、連絡を受けた、小村 壽太郎

 朝鮮公使は、軍事力を使わず、外交の話し合いによって、国王 高宗を監禁

 から開放し、朝鮮半島を日本によって 元の状態に戻し、ロシア帝国に 軍事

 介入の口実を事前に摘み取ってしまおうと行動を起こしたそうです。



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    そこで、障害となって行ったのは、 国王高宗や、官吏、女官などを監禁し

  王宮を占拠していた、 朝鮮人の訓練大隊 2個大隊 と、 それらの幹部に

  担がれて、 王宮に入って、国王 高宗を 廃位させて、 新しい国王を擁立

  しようとしていた 父親の 大院君 興宣の存在であったのです。



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              【 大朝鮮国 内閣総理大臣  金 弘集 】


   小村 壽太郎 朝鮮公使は、 7月のロシア帝国に支援を受けた 閔妃

  クーデターで失脚していた、 元 内閣総理大臣 金 弘集 に接触し、事態

  収拾に協力を求めたとされています。

  彼の答えは、 協力に承諾したものの、 実現については否定的であったと

  されています。


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  「大院君 興宣 は、 今は、訓練大隊の幹部 元 軍部協弁 李 周會などと

 手を組んでいるが、 その目的は、 いずれはすべての提携先を蹴落として、

 自ら独裁政治を計画していて、 先の 開化派の 法務協弁 金 鶴羽 氏の

 暗殺事件も、永宣君の後で暗殺を指示していたのは 大院君 興宣であり、

 今回の閔妃殺害事件も、 後で大院君 興宣が動いているのは明らかであり、

 そのような人物に、 国王 高宗を開放しろと言っても、良い話にはならないで

 あろう。」と語ったとされています。

「 大院君 興宣が、「国王 高宗を廃位させたい。」 と、言い出したのは、十数

年も前から、何度も申立、 清国の袁世凱 将軍がこれを聞かず、そのままに

なっていたもので、そう言う人物がはたして言う事を聞くかどうかと言われれば

否定せざるおえない。」 との 回答であったとされています。




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    これらのお話しは、 小村壽太郎 朝鮮公使から、モールスによって

  内閣総理大臣 伊藤 博文 公に 報告されていたそうです。


  【 明日に続く。】