第3276回 平成30年岡山市7月豪雨水害の原因を調査する その2 模型公園

みなさん おはようございます。 2018年7月23日月曜日の投稿です。






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【平成30年7月8日 夕方撮影 地盤からわずか下に泥水の水位があります。】 




  【 前話の続きより。】


 平成30年岡山市7月豪雨水害の原因を調査する。 今日は2回目のお話しです。

火災でも、爆発でも、水害でも、崖崩れでも 原因があるわけで、それを現地踏査

して明確にして、 次の災害を防止し、避難計画などに生かさなければなりません。



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               【  現地踏査 開始地点 位置図 】



   調査箇所は、堤防崩壊現場の北の新幹線の高架下から、崩壊現場の下流

  の砂川橋にかけて現地踏査を行いました。



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     堤防決壊現場からそう約300メートル上流の 新幹線の高架下よりの

    砂川の樽部橋の撮影です。



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                    【 楢部橋 ならべはし 全景 】



    この橋の橋脚を見る限り、 新幹線の高架下を濁流が流れて

    周囲にオーバーフローすることは無かったようです。



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   この上の写真が参考になりますが、水位は高かったのですが、橋の

   道路面が洗われることは無かったと言うことを証明しています。

   それでは、どうしてここから約300メートル下流の堤防が決壊したのでしょうか

   被災者として知りたい部分です。




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    普段は 車などは通らず、人通りも少なかった、10センチの路盤材の上に

    5センチのアスファルト舗装工を施した堤防の天端の道路です。

    崩壊箇所も、ほぼ同じ風景であったと思われます。



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   注目したのが、 道路の路肩の雨水による浸食で路肩が流れている箇所

   がありました。


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    場所によって、数値は前後しますが、50センチから60センチ ほど

    崩れて、 道路の下が崩落して、 舗装面が中に浮いている状態です。 



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    こういう現象は、大雨が降ると 土が液状化して、下に落ちてしまう現象です。

  土は何で出来ているかというと、 土粒子と水分と空気から構成されています。

  水分が降雨によって上昇すると、含水比【水分を含む量】が上昇して行きます。

  溶けたバニラアイスクリームを思い浮かべていただくと良いのですが、土が

  液状化して 流れて行くのです。


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  上の写真は少し北側の路肩です。

  ずうっと こんな感じに続いていて、 長期間 堤防の路肩が放置されていた

  証拠となっています。


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   こういう状態の箇所がずっと現在も続いていて、大雨があると、路肩が

   崩れていく原因の証拠現場となっています。

   何気なく、 通り過ぎてしまうそんな現地ですが、 目線を 道路の表面に

   沈めて観察すると、 大切な現況証拠です。


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   おそらくですね、 崩壊現場も同様な状態であったと推測されます。

   しかし、行政機関によって 長い間 修補【 修理補修の事】が放置されていた

   としか思えない現地の路肩です。

   つまり、 行政の堤防の維持、管理が予算不足で放置されていた。

   結論として、 業務上過失があったと言う事になっていきます。

   こういう部分に 大量の雨水が入って行くと、 堤防の決壊の原因になって

   行くわけです。


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   何気なく通り過ぎてしまいそうですが、 大切な災害の証拠資料です。

  この塊は、崩壊現場の 舗装の表層です。

  割れた形、 精査すると どう言う外力がかかって、こういう形になって行った

  のか解明する証拠資料です。


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    この断面を見ると、 下から水圧が加わり 舗装が崩壊していった

    様子をうかがうことが出来ます。



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   ここが大切なところで、 堤防の上のアスファルト舗装が どうして、どのような

  経緯で バラバラになっていったのか、よく現地を調査して、知ることが堤防

  決壊の顛末を知る大切な部分です。



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   この大きな堤防にどんな外力が加わって、崩壊したのか、大変興味がわいて

  きました。



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  この上の写真をご覧ください、 中心のピンポールの先が、平島団地

  町内会長 村松さんのお宅です。

  堤防崩壊現場から 距離にして約600メートル程度でしょうか、

  そして注目すべきは、 白いまさ土風の川の砂が吹きだした跡です。

  そして、今現在も水が湧水としてどんどん東側に流れ出ています。 

  

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      土のう袋の仮設工の下から どんどん湧水が東に流れています。

      これから台風が来て、大量の降雨があると、また 水害が発生する

      可能性が高いと考え、水害による死者を出さないためにも町内の

      避難計画を考え直さなければならないと僕は思ったのです。 



【 明日に続く。】【 コピー転載自由。】