第3278回 岡山市平成30年7月豪雨水害の災害復旧工事について検討する。模型公園

みなさんおはようございます、模型公園です。 2018年7月25日水曜日の投稿です。







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   【 浸水して通行できなくなっていった県道37号線 岡山市東区東平島】







【前話の続きより。】



 平成30年7月7日 午前1時30分ごろ発生した 岡山市平成30年7月

 豪雨水害について検証するお話の本日は4回目です。

  がけ崩れや、水害、火災、など どれも原因があって発生するわけで、

 どのような原因で、どんな予兆があって、 それを見逃して、災害が発生し

 ていったのか、この部分を調査して、未来の災害対策に生かして、避難計画

 の見直しに役立てていくことが肝要です。



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   本日のお話は、破壊された堤防などをどう復旧していくか、そういうお話です。




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  【 堤防決壊現場 岡山県岡山市東区 砂川橋東詰 北400メートル付近】



  
  水害の原因は、堤防が決壊したため、濁流が低地に流れ込み多くの

  被害が発生した。

  と、 いう事は動かしがたい事実です。

  そして、水害発生の素因は、何かと言うと、 堤防の日々の安全パトロール

  がおろそかにされていた、 それも40年か、それ以上 放置されていた。



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  この点について、平島団地町内会の 過去、町内会の役員をしていた

 人、ご老人にお伺いすると、過去 複数回 町内会として、堤防の補修に

 ついて、陳情というか、苦情を申立に行った時に、行政の当時の担当者が

 また 来たのか というような顔をして、 話を聞いてはくれたのですが、「行政

 機関としては、下流を優先して河川改修を行っていて、お話は上司に報告して

 おきます。」 というので、「 鋼矢板などで補強してもらえないか。」 と詰め寄る

 と、 行政の担当者が、「 私にそういう権限がないのと、予算的に厳しいと思い

 ます。」 と言う 問答を繰り返していたそうです。

 このご老人が、「 わしが言うた時に直しておけば、 こんなことにはならんかった

 んじゃ。」 と、 残念そうに証言されていました。  



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          【 岡山市 東区 砂川橋より 北方向を撮影 】



 僕が 行政機関の災害復旧を担当する維持課の管理職であったとしたらーー。

 のお話ですが、 早いうちに3件の工事を早急に業者に発注します。

 一つは、崩壊した堤防の災害復旧工事の調査業務を 土木調査コンサルタント

 会社に入札を行って、工期3か月程度で速やかに発注し、 技術士などの

 専門家を交えて、 原因を把握して、 今後 どうあるべきか、方向性を定めます。


もう一つは、上の写真を見ていただくと 川に堆積土がたまって、大きな木が

茂っている状態です。

これを 河川改修工事と言う形で、堆積した川砂を撤去して、川の底を深くします。



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   おおよその工事数量は、 光波トランシットで座標を取って、座標と座標の

 逆計算で 水平距離と地盤高の算出をすれば 施工面積が出ます。

 後は、 河底を掘削する深さを決めれば おおよその土量が算出できます。

 早めに仕様書を作って、業者に発注し、 まず東側の堤防に沿って、建設機械

 が河の中に降りられるよう、土で仮設スロープを作ります。

 そして西側の堤防に沿って、土嚢による仮設水路を作って、 水を河の西側に

 集めて流していく、 そうすると 東側は 水が無くなり 干上がります。

 この部分から、河底を床堀して、残土を出していく、 そして湧水をポンプで

 排出しながら施工し、 砂川の河底を深くすることで次の災害を防ぐ大変な

 効果があると思われます。


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   堤防の災害復旧工事の工法の選定ですが、 工期と、工事予算の節約を

  考えると、現在残されている 古い堤防の上に 補修する形で施工する方法

  がありますが、堤防の下部を見ると、感心する工法とは言えず、つまり、土台が

  傷んでいる上に、新しい堤防を作ると、 その境目が次の災害の原因になる

  可能性が高いと考えます。

  予算がかかっても、 まず、土台の ブロックの基礎からやり直したほうが

  よさそうです。

  現在、 標準的な工法として、 ただ 土を盛土にするだけでなく、セメント安定

  処理工と言って、 早強ポルトランドセメントと、土を撹拌して、盛土を施工して

  いく、 こうすると 土質区分で 軟岩1 程度の盛土の強度が期待できます。



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   早強ポルトランドセメントとは、何かと言うと、 わかりやすく説明すると

  コンクリートに使用されているのが、 高炉セメント と言います。

  表面が 白っぽいコンクリートになり、 目標強度になるまでに28日の

  養生期間が必要とされています。

  ところが 早強ポルトランドセメントは、7日で目標強度に達し、黒っぽい

  塊になります。

  この早く固まって、7日で目標強度に達する材料を使って、堤防を強固な

  盛土に施工することが望ましいと思います。




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   堆積した 川砂の撤去、 コンサルタントによる 設計業務を並行して

   作業を行い、 そして もう一つの工事は何かと言うと、単独事業の

   随意契約を起こしてですね、 現在の堤防の道路の路肩を植生土嚢

   などで補強する工事を分離発注することが必要であると考えます。



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   どうしても 工事車両が今後頻繁に通行するようになることは疑いようの

 ない事実で、現在の路肩を放置した場合、 路肩が工事車両の通行で崩壊し、

 工事車両が横転する事故につながる危険性が非常に高いと考えます。 

 この路肩を 行政職員で十分安全パトロールを行い、 現地踏査を行って必要

 な個所については、 現在、災害復旧で入っている業者に、 随意契約で作業を

 発注し、路肩を修補していただくことが望ましいと考えます。



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  おそらく、 突如発生した災害という事で、 業者に口頭にて依頼し、

 正式な契約は後回しにして、 作業を依頼していると思います。

 業者の人は、奉仕の精神で、お金のことは置いて、 暑い中、作業を行い、

 夜はライトをつけて作業して、大変な思いをされての施工であったと推測し

 ます。

 行政にお願いですが、業者の方が不利益をこうむらないように配慮を

 お願いし、 議会のほうも、党利党略に走らず、オール岡山にて、挙党

 一致にて、災害復旧に取り組んでいただきますよう請願します。

 誌面をお借りしまして、作業にあたられた人々に感謝の気持ちを表明します。


【 明日に続く。】  【 転載、コピー自由。】