第3288回 行政の予算を使わない防災対策 その5 模型公園
みなさん おはようございます。 模型公園です。
2018年8月3日金曜日の投稿です。
【 国道を封鎖した形で止まった大型トラック 岡山市東区南古都 】
【 前話の続きより。】
深夜に発生した、 岡山市平成30年7月豪雨水害 という事件を検証
して、 至らなかった事を見つめ直して 未来に生かして行こうというお話
しの5回目です。
【 1機の相手に、3機でチームを作って 戦っていった。 】
前話で、左右の両隣の家と連携して3軒がひとつの分隊と考えて、1940年
7月から行われた、バトル オブ ブリテ゛ン と呼ばれる空中戦で、イギリス
空軍の飛行中隊が用いた3機1チームという航空戦術を応用して、地域防災
に生かせないかというお話しを紹介しました。
【 町内会の地図 】
例えばのお話しですが、全体で172世帯ある住宅地で、現在13の組という
組織が町内会の中にあったとします。
この組という組織は、単純にわり算を行うと、 平均13軒程度の集合体となり
ます。
いち早く 異変を告げる 災害情報がもたらされ、 これを一定の基準に基づいて
住民に伝えるべきか、 そうでないかを確認して、伝えるべき情報と判断した場合、
町内会長が1人で172世帯に連絡していたのでは途方もない時間がかかってしま
います。
この度の平成30年7月豪雨水害の場合、 午前1時30分頃、轟音と供に
堤防が決壊、 検証してみると わずか30分で 西側の水田地帯は海のように
なり、どんどん 住宅街を道路を水路にして 濁流が流れ込んでいったことをふま
えて、車を移動させ避難できる時間はおよそ15分程度であったと思われます。
そこで、 各組の責任者に通報し、防災放送を行いつつ、平行して、各組の中の
班というか分隊というか、 3軒1組のグループに伝達して、避難を行ってもらう
わけです。
1組 平均13軒程度でありますので、 わり算をすると、平均4個程度のグループ
になると思います。
【 平島団地 午前2時頃の様子 岡山市東区東平島 】
まだ 初期の段階で 車が移動出来る状態の時に、3軒の内、誰か1人に
連絡がつけば、 その人に左右の家に窓を叩いたり、 電話をかけたり、車の
クラクションを意図的に鳴らしたり、いろんな方法で、寝込んでいる人を起こして
連絡をつけていただく、 あわせて、防災放送で避難を呼びかけていく、 こう
することが深夜に発生していく水害対処では、原始的ですが費用がかからず、
1番効果がある方法と考えます。
【 平島団地 午前2時15分頃 浸水状況 岡山市東区東平島 】
地震のような、大きな揺れなどがあると 目が冷めますが、水害の場合、
音も少なく、大雨の打ちつける音の中、どんどん浸水が進んで行きました。
それぞれの地域には、足の悪い 歩行の困難な ご老人の家が数軒あります。
ご近所の人が 水害に気がついてこれらの家庭を支援して、近所の2階建て
の家に避難することを手伝ったり、 又は、別の場所に移動するのを支援したり、
3軒1組で、相互に支援を行い、安全な地盤高の高い場所に避難できないかと
考えるようになっていったのです。
今回の水害の場合、避難できた時間はわずか15分でした。
この15分を経過したら、車での移動は無理になって行きました。
程度の勢いと威力があって、池田さんという家の壁に1度波となって
打ち寄せて、 90度カーブして道を水路にして どんどん南側が
浸水していったのを記憶しています。
今回の平成30年7月豪雨水害の場合の1番の大きな反省点として、
これは、 誰が悪いとかそう言うお話しでは無く、 僕自身の行為を振り返って
午前2時から朝の夜明けの5時まで、逃げ遅れた人の救助活動が出来なかった
と言う事です。
確かに、避難を呼びかけたり、 後に必要となるであろう 災害写真の撮影など
は行ったが、 逃げ遅れた人の為に何を行ったのかと考えると返事が出来ません。
本来寝ている時間でしたが、大雨が打ち付け、あれよあれよと水位が
上昇して行き、ある人に、「正午が瀬戸内海の満潮の時間のため、 それに
あわせて、水位がさらに50センチから1メートル程度上昇する可能性が
高い。」とお話しして、 僕は 消防署の119や、岡山市の災害対策本部に
救助を要請したり、 食糧などの支援を要望することしか出来ませんでした。
小さな船などがあれば、 泥海の中、 救助活動が出来ていたかもしれま
せん。
幸いなことに、 さらなる増水は当時なかったのですが、 岡山県警の警察官
数人が避難先の北居都神社に来てくれたのは、午前11時頃でありました。
もし、午前2時から午前11時の9時間の間に 水死者が出ていたらと考えると、
もっと何か別の方法がなかったのかと考えるようになっていったのです。
つまり、 自分達で自主的な救助活動は9時間の間に出来なかったのかと、
思う様になったのです。
【 明日に続く。】 【転載、コピー自由。】