第3337回 岡山市東区砂川の砂川橋北の災害復旧工事について。模型公園

みなさん こんにちは 模型公園です。 2018年9月16日 日曜日の投稿です。





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             【 平成30年7月豪雨水害 堤防崩壊現場 】

             【 2018年9月16日 日曜日 午前11時15分頃撮影】






  数日前、 小雨が3日ほど続いていたのですが、道路を傘を差して

 歩いていると、 近所のご老人に呼び止められたのです。

 「 おぃ、県 は何をしょうるんかのうーー。 早う堤防を直してもらわんと。」と、

 ご不満を聞くに及び、 少し事情を投稿と言う形で 世間に紹介して、少しでも

 安心していただけたらと思い、今日、写真を撮影して みなさんにお知らせし

 ます。

 僕が ご老人の立場であったら、 おそらく同じ事を話したでありましょう。

 そのお気持ちは、僕も被災者の1人として感じます。




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   一見すると、土のう袋を重ねただけで、 放置している感じに見える現場です

 が、実は、見る人が見ると そうではないので、被災者の1人として 少し紹介し

 たいと思ったのです。

 この記事を読んでいただき、 周囲のご近所にもお知らせいただくと良いかと

 思います。


 
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  国土交通省の仕事は、つまり国家予算で行う工事現場は決まりがあって

 工事の目的、 完成イメージなどを 工事看板に掲示することが定められていて、

 竣工検査などで 工事写真の確認が行われますが、県の工事 こと、単県の

 工事や、市役所の工事はそこまで定められていないのが現状です。

 そう言うわけで、 何の目的で 工事を施工しているのかが、一般の被災者に

 わかりにくく、土のう袋を積み重ねて、そのまま放置しているように感じられた

 のも無理のないお話です。



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               【 ボーリングマシン 450キロ タイプ 】


   工事を開始するためには 入札して 施工業者を決定する必要があります。

  工事金額を決めるのには、仕様書 つまり、工事数量を決める必要があります

  工事数量を算出するには、図面と工事数量計算書が必要となります。

  図面を作成するのには、 工事現場の測量と地質調査が必要となります。

  工事現場の図面には、 平面図、縦断図、横断図、構造図、その他の詳細図

  が必要になります。

  上の写真は、地質調査を行っている様子です。

  この調査は、 図面の中の 横断図に岩盤線を描くために調査をしている

  様子です。


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   足場板を敷いて ボーリングマシン つまり、地中を掘るマシンをすえて

   直角90度に掘り進んで、ボーリングコアをとります。

   そのコアの標本を見て 地表から何メートルまで 礫質土 でーーと、

   調査報告書を作ります。


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                 【 軟岩 Ⅰ の岩盤 】


    業界で言う 支持層 岩盤の位置が地下のどのあたりにあるのかを

   特定します。

   土というのは、 土粒子 + 空気 + 水で構成されていて、これに礫

   【れき】 つまり 小石を加えた物が 礫質土 【れきしつど】と呼びます。

   土木業界の土質区分は、

   軟らかい順番に、

                礫質土

                軟岩Ⅰ

                軟岩Ⅱ

                中硬岩

                 硬岩  

  に分類されています。

  平成30年7月豪雨水害の堤防崩壊工事現場は、どこに軟岩の部分が

  あるのかを特定する調査を行っているようです。 

  みなさん 軟らかいお豆腐の上に、重たい物を置くと、倒れたり、壊れたり

  しますが、 川の近くの堆積土の軟弱地盤に重たい構造物を施工すると、

  傾いたり、壊れたり、沈んだりすることが実は多いのです。

  それ故、 地質調査は重要で、横断図に岩盤線を描いて、充分検討する

  ことが大切です。



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                    【 工事現場の基本 側点 】


   工事現場に BM点 地盤高の点を作り、側点を作っていきます。

   道路工事の場合は、側点は、20メートル事に1箇所、

   災害復旧工事の場合は 距離が短いときは SECT で表示します。



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   横断図と呼ばれる図面は、この側点ごとに作られ、工事現場の施工管理の

   基準になって行きます。

   工事写真、 出来形管理なども、この基準に基づいて 撮影したり、管理したり

   します。



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  みなさん 前と同じような堤防を作った場合、 7月7日と同じ雨が降って

  砂川の水位が上昇した場合、 また 同じように決壊することになります。

  それでは 良い事になりません。



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    前と 同じような災害が発生しないためには どうしたらよいのか、ここが

  非常に大切な部分です。

  川幅を広げたり、 深くしたり、 堤防の高さを上に上げたり、 それを決定した

  後に、 用地の収得という事になっていきます。

  川幅を広げる場合は どうしても東側に用地を取得する必要があります。

  今、 そういうことを 測量を行いながら計画を作っている状況です。



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  何気なく 通り過ぎてしまいそうな砂川の川の中ですが、赤と白の

 ポールが数カ所見えると思います。

 施工業者の作業方法にもよるのですが、 木で丁張【ちょうはり】という

 板の目印を 側点ごとに作っていきます。

  同じく、 木杭と板で トンボ というのを川の中に打っていきます。



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     土手から スロープを造って、 バックホゥを川におろして、 丁張や

   トンボを目印にして、川砂を床堀して とっていきます。


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   レベル という測量器具があって、 丁張や、トンボに高さを移して

   その高さから、 例えば、50センチ下まで掘って、 川砂を撤去していく

   そういう作業を連休明けから行うようです。


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   以前紹介したように、 川に堆積した土をとってやれば、 水位の上昇を

   押さえる効果があります。

   そして、 水を流れやすくすることが 水害発生の抑止となって行きます。


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        【 2018年7月後半ころの 砂川堤防崩壊現場の様子。】




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               【 2018年9月16日日曜日の様子 】



  比較して上の画像を見るとよくわかりますが、 どんどんきれいになって

  水の流れの障害になる物を撤去して行っているのがよくわかります。

  

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     本来は、被災者に対して、岡山県から広報があるべきですが、なかなか

     多忙で、 部分ごとの説明が無いようです。

     今日は、 災害工事現場の工事が放置されているのではなく、

     来週から、川砂の撤去が開始されるというお話しを紹介しました。

     被災者のみなさん、早く堤防が治って、 大雨でも安心して暮らして

     いけるようになるとよいと思います。

     よかったら、ご近所の知らない人、 不満に感じている人に、

     この記事のことを ご紹介していただき、安心していただくよう

     誌面にて 被災者の1人としてお知らせします。



   【 次回に続く。】【 転載、コピー自由。】