第2256回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第2255話 北清事変 軍機大臣 栄 禄のこと。



                          2018年10月20日土曜日の投稿です。




イメージ 1



   1900年 明治33年の8月、北京が包囲されつつあることも知らされずに

 普段通りの独裁恐怖政治を行っていた西太后は、気がつくと、直隷総督の

 裕 禄とは 連絡がつかなくなり、 宦官に命じて呼び出したのは、前任の

 直隷総督で、軍機大臣であった 栄 禄 という人物であったのです。


イメージ 2



                     【 軍機大臣 栄 禄 】


  軍機大臣 栄 禄は、どうして北京が包囲されつつあるのを知らさなかったのか

 と、西太后に詰問されると、 驚いた表情を浮かべ、 「 すぐ 調査して ご報告

 申し上げます。」 と、 作り事をならべてその場を立ち去り、どうしたものかと

 多いに迷ったとされています。

 と言うのが、北京に押しよせて来た義和団を利用して西洋人に向かわせようという

 ことを 裕 禄 と一緒に西太后に勧めたのは彼であったからです。

 言葉を選んで上手にふるまわないと、西太后に処刑されると恐れていたのです。



イメージ 3
 


                   【 逃走した 直隷総督 裕 禄 】


 栄 禄 と言う人は、この際、 裕 禄を悪人に仕立て上げ、彼が裏切ったので

 ロシア軍や、西洋諸国の軍勢が北京に迫っていることにしようと計画し、自分は

 西太后と一緒で 何も知らなかったことにしようと決め込み、 数刻の後に

 西太后に面会を求め、8月13日頃、 西太后に事実を報告したとされています。



イメージ 4
 


  軍機大臣 栄 禄は、奉天方向からロシア陸軍の軍勢が北京に迫り、1日から

2日程度の距離まで迫っていて、 天津は西洋諸国軍に占領され、西洋諸国軍

が北京に迫り、 村々を焼き払いながら3日程度の距離に迫っていることを西太后

に告げたとされています。


イメージ 5
  


  その報告を聞いた西太后は顔色を変え、 「 すぐ 宮廷の防備を固めなさい、

 急ぎなさい。」 と、栄 禄 に命じると、 先の北洋大臣であった、李鴻章

 呼び出したとされています。


イメージ 6



  李鴻章 【 りこうしょう 】 そうーーつまり 下関で 伊藤 博文さんや 陸奥

宗光 さん達、日本代表団を騙して一杯食わした あの 日清戦争の講和に

やって来た あの人物を呼び出したのです。


  【 明日に続く。】