第2277回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】
2018年11月12日月曜日の投稿です。
【 大正13年撮影 稲佐の濱 】
【 前話の続きより。】
杵築沖にアンカーを打って停泊し、 私達 海軍兵学校 第五十二期の少尉候
補生、 機関学校少尉候補生、主計学校少尉候補生などは、二手に分かれて、
つまり半舷上陸を行ったのです。
当時、狭い艦内から解放され、 地に足がつくことで非常に満足するというか
私達は非常に上機嫌であったのです。
ところで 当時、出雲大社に参拝できると言う事で他の兵員もみんな楽しみに
していたのですが、
一人で土産物を買い求めたり、勝手な自由行動は厳禁で、集団行動の軍隊では
そのような気ままは許されなかったのです。
私達は、他の兵員と一緒に短艇に乗って上陸したのですが、周囲は
初めて見る風景でした。
「 全員 足踏み始め。」 「 行進開始。」 と号令がかかると、軍歌を
歌いながら 海岸の砂浜から出雲大社に向かったのです。
【 大正13年 撮影 出雲大社 】
【 大正13年撮影 出雲大社 本殿。】
【 大正13年撮影 当時の出雲大社 参拝の様子 】
唱えながら 参拝することになったのですが、願い事を唱える前に
部隊長から 願い事についての訓示を受ける事になったのです。
それは他の兵員と違い 私達海軍将校は私生活についても厳しい
軍律があったのです。
【 明日に続く。】