第3475回 岡山市東区砂川堤防崩壊現場施工状況12月29日 模型公園

みなさん おはようございます 模型公園です。


                           2018年12月30日 日曜日の投稿です。






イメージ 1



       平成30年7月豪雨水害の被災者 2230世帯と関係者のみなさん

      にお知らせします。

      上の写真は 昨日の 12月29日土曜日の撮影の砂川堤防崩壊現場

      の写真です。



イメージ 2

  

    先週は 鋼矢板の打設完了、 作業ヤードに粒調砕石の敷ならしを

    おこなったようです。



イメージ 3
     



     堤防本体の工事は 年が明けてからのようです。


イメージ 4



   上の画像の中央に赤い斜めの板が打ってあります。

   これを 工事現場では  丁張 と書いて 【ちょうはり】と呼びます。

   斜めの角度が 1割5分 勾配【 いちわり ごぶ こうばい】 と呼びます。

   多くの堤防の標準勾配は 設計図集から 1割5分勾配となっています。

   

    丁張 とは何か と言うと


    丁張とは、工事現場において 位置、高さ、角度 を表す表示


    となります。

    

   1割5分 勾配とは何か と言うと

   横に水平距離で 1,5メートル 進んで 高さが1メートル上がった

   △の形を呼びます。


   わかりやすく言うと、 5メートルの高さの堤防の場合 西側の水平距離は

   1,5メートル×5メートルで、7,5メートル となります。

   堤防は 台形でありますので、 堤防の上の道路の幅員が3メートルとすると

   左右で 7,5メートル×2 + 3メートルとなるので 、18メートルの幅の

   堤防と計算できます。



イメージ 5
  



   つまり この赤い板の下側の位置で斜めに堤防が造られていくことを

   意味している 仮の 見たての丁張りとなります。

   仮のと言うのは、 今 正規の丁張を作っても、土のう袋を撤去する時に

   壊れてしまうので、仮の丁張を設置しているようです。



イメージ 6



    土木の工事現場で、 この丁張を出していく仕事は大変重要な

    業務で、 レベルや光波トランシットを応用しながら使える技量が

    あって初めて可能になる業務です。

    これが 高さが違ったり、位置が違ったりしたものを設置すると 

    構造物が出来ても 破壊することになって行きます。




イメージ 7



   例えば 山の上に、「ここから山を削ってください。」と、丁張をかけた

   とします。

   角度が 間違っていて、 丁張板の下を基準に 上の画像のように

   斜面を バックホゥの オペレーターが削って 下に降りた後に、間違

   いに気づいた場合、 修正が出来れば良いですが、 ダムの工事現場の

   ような 高低差がある場合などは、 大変な手直し工事となってしまうの

   です。


イメージ 8
 



    最近、 この業務が出来ない 現場監督の人が若い人を中心に

    増えていて、 つまり 資格を有していても、仕事が出来ない人が

    増えていっています。

    資格を持っていても 出来ない場合は専門の業者に外注することに

    なります。

    地域によって違うのですが、 1つ 作っていただくのに 平均3万円

    前後が相場となっています。

    カーブなどで 丁張と 丁張の間に補正の丁張をかける必要が出来た

    場合、 その外注先が現場に来て作るまで 作業が止まってしまうことに

    なります。

    そういう事情で、 丁張は 極力、現場代理人が自ら設置して、工事の

    施工を作業員に指導していくことが 望ましいとされています。

    これが出来るようになるまでは、 早い人で1年、 遅い人で5年ほど

    経験を要します。



イメージ 9



   河でも 道路でも、センター【中心】と、幅員が決まっていて、 上の写真の

   赤い杭が見えると思いますが、 河の東端を示す杭です。

   ここの杭のX軸とY軸の数値から、角度を補正しながら決めていき、

   開放計算というやり方で、 上の写真の場合 赤い杭から 高さが3メートル

   の場所、 勾配が1割5分 とした場合、 三角関数を使って、 水平距離

   を算出します。 

   4メートル50センチ と答えが出ます。

   赤い杭から、直角90度 東方向 水平距離 4,5メートル 進んだ場所を

   開放計算で算出し、 XとYの値を出して、自分が光波トランシットを設置し

   ているX軸、Y軸の座標点から、今度は逆計算という方法で、方向角、水平

   距離を算出して、その場所に杭を打って、その後、 高さを出して、ミリ単位

   で 丁張を作っていきます。


イメージ 10



   こういう斜面の事を 土木用語で 法面【のりめん】 と呼びます。

   こんな感じに、知識を持って 工事現場を見て行くと 違った見学が

   楽しめます。

   

イメージ 11
 



       みなさん 今年は 7月7日に岡山市東区は自宅や周囲が水没して

       大変な事に遭遇しました。



イメージ 12



 行政の方達、建設会社の人達には、気温が37℃近くに達する中、夜中も電気

 をつけて突貫作業をしていただき被災者の1人として 大変ありがたく感じてい

 ます。






イメージ 13




     みなさん 脳の血管が詰まると 脳内出血を起こして 死に至り

     ますが 砂川も同様の状態であったと思います。

     内閣府の方がたが視察におこしになった時に、「水害の原因をよく把握

     して行政を進めていただきたい。」と、お願いしました。


イメージ 14



   行政のみなさんには、素早い災害原因の把握、 その対処を行ってい

   ただき 被災者の1人として大変ありがたく感じています。

   


イメージ 15




                 「 みんな 頑張ろう にゃん。」


                 来年は 良い年になると良いですね。

【 次回に続く。】【 転載、コピー自由です。】