第2549回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語】
2019年1月23日水曜日の投稿です。
1924年 大正13年の10月、 私達 海軍兵学校 第五十二期の少尉候補生
のです。
伊勢湾を北上して 名古屋沖にいたり、 分隊長から命令が発令されたのが
「 艦内展示準備命令。」 「 満艦飾準備命令。」 であったのです。
どういうことかと言いますと、 「 艦内展示準備命令。」 と言うのは、函館の
出来事で 少し紹介したのですが、 娑婆の人達に艦内を見学していただく
準備を行うと言うことでありました。
主な作業というのは 掃除であったのです。
それから、 臭い匂いがしては失礼なので、全員 海水風呂に入って
身をきれいにして、 洗濯を行う事であったのです。
それから、「 満艦飾 準備命令。」 とは 何かと言うと、 艦首、 艦橋、艦尾
にロープを張って、 信号旗を ひらめかす事であったのです。
もうーーーそれはそれは 大変でありまして、 娑婆の人が入ったら困る場所に
は 綱で仕切ったり、 艦内は大騒動になって行ったのです。
それから、甲板の上には、 天幕を張ったりと 大変な1日でありました。
そして、翌日、 事前に予定を知らせてあったのか、多くの名古屋の人達が
私達の 練習艦隊に押しよせて来たのです。
当時の私は、「 ふぉーーっ すごい人やのう えらいこっちゃ。」と、甲板の上から
岸壁の方を眺めたのでした。
【 明日に続く。】