第2556回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】
2019年1月30日水曜日の投稿です。
【 前話の続きより。】
1924年 大正13年の10月に 伊勢、二見浦などを経て、名古屋港に至り、
第五十二期の少尉候補生の部隊は名古屋を出港することになっていったのです。
当然、いつもの通り どこに行くのか説明などはなく、 このまま海外の練習
航海に行くのではないかとか、大阪の方に 内地巡航するのではないかとか、
周囲と雑談していた記憶がありますが、予想に反して、元の場所に戻っていった
のです。
どうして そんなことがわかったのかというと、 左弦側に 陸地が見えていた
のです。
つまり 愛知県の沿岸や、静岡県の沿岸が 左手に見えるということは、
艦隊は、東京方面の東に進んでいるという証拠であると思ったのです。
和歌山県の沿岸が見えるはずです。
太平洋の外洋に出ていく場合、 陸地は見えないはずです。
そういう周囲の風景の様子から、 来た航路を また 戻っているに
違いないと思う様になっていったのです。
目的の1つが、 アメリカ方面に長期航海するために、横須賀の補給処で、
大量の石炭を積み込む必要があったのと、 戦艦 長門病院に入院されている
【 明日に続く。】