第2557回 昭和の伝道師【 戦中、戦後のパイロットの物語 】
2019年1月31日木曜日の投稿です。
【 前話の続きより。】
私達の部隊は、一寝入りして 起きると 神奈川県の横須賀鎮守府に到着
したのです。
当時、 周囲の噂として、 「高松宮殿下を再度、浅間にお迎えしてから、
外洋に出るに違いない。」 というお話しがあって、 当時私も そうであろう
と思っていたのです。
そんな私達の少尉候補生や、下士官、水兵に出た命令は、燃料補給処で
石炭の積み込み命令であったのです。
外洋に出る前に 石炭燃料を山積みにして、 艦を満腹の状態にして
出発する準備命令であったのです。
以前紹介したように、 数珠つなぎとなって、 バケツリレーなる しょいこ
リレーで どんどん 積んで行ったのです。
しかし、この 石炭を艦に積み込む作業は 過酷な重労働で、 顔や、
鼻の中、口の中まで 黒いススがつく程度、 体にも悪い作業でありました。
「 海軍を辞めようと思った。」 と言う人が多くいたのですが、 その程度
辛い作業であったのです。
また、 その作業の後の 後始末が大変でありまして、 「 よろしい。」が出る
まで、甲板や通路を 何度も、何度も 磨かされたのです。
横須賀鎮守府に入港して、 そんな作業に追われていたのを記憶しています。
【 明日に続く。】