第69回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語】

第68話 第2関門の数学2に合格する。                     2012年4月16日 月曜日投稿
 
試験が始まって、問題用紙を見ると、又、出題は、5問である。
 
受けるほうとしたら、問題が多いより、少ない方がよい、文字式とか、素因数分解とかの問題であった。
 
問題は、最後の問題であった。いの角度が、52度の時に、ろの高さが8メートルとすると、との水平距離は
 
いくらになるか、という問題で、三角の図が書いてあった。 
 
はの角度が90度で、180度から、それぞれの角度をひいていくと、のこりは、38度である。
 
うーん、三角関数の問題であった。計算したら。6,4メートルになったので、回答欄に書いたのであるが、
 
回答に自信が無くて、何度も、何度も考えた、気がついたら、試験会場で、終了時間となり、提出した。
 
間違えていたら、不合格である。
 
「はぁー。」とため息をついて、会場の連隊の講堂をでて、正門に向かって歩いた。
 
今日は、宿屋の女将が、昼食を作っていてくれるというので、急いで、連隊を後にして、旅館に戻った。
 
昼食を食べて、少し畳の上で横になり、時間をつぶした。
 
後悔しても仕方がないと思って、思い直し、14時頃、旅館を出発して、連隊の掲示板を見に行った。
 
少し早く着きすぎて、まだ、張り出しがないのであるが、しばらくして、兵士が、張り紙を携えて出てきた。
 
「86番、86番。」と口で唱えながら、番号を捜すと、あつた、あった。86番の番号が、よかった。
 
海軍では、数学に力を入れていて、ほとんどが、数学の試験で不合格になると聞いていて、心配していたので
 
あるが、何とか、合格できた。
 
帰ろうとしたときに、もう1枚の張り紙がしてあり、明日は、0800時集合、0900時より、1130時まで、国語
 
漢文試験、1300時より、1530時まで、物理、化学の試験と書いてあった。
 
あやうく、見逃して、喜んで、そのまま帰るところであった。
 
危ない、危ない、ほっとした気持ちで、試験二日目を完了して、旅館に帰ったのであった。
 
【次回に続く。】