第149回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語。】

第148話、 校庭での出来事、                         2012年7月7日土曜日の投稿です。
 
馬に水を飲ませた兵士は、運動場に戻って、馬を鉄棒につないで、運んできた木箱を開けて、蓋を馬車に積んで、
 
銃の準備をしだしたようであった。
 
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                                【大正後期の陸軍の馬車】
 
               そうこうしていると、校門の方から、数人こちらに歩いてくる人がいる。
 
              「おーーーい、たこーー、元気かーーー。」と、声をかけてくるものがいた。
 
              はて、誰かいのーと、思えば、元同じクラスの呉服屋の息子、清水である。
 
              「ひさしぶりやのー、元気かーーー。」と、声をかけると、「いやーー、家の仕事をてつどう
 
              とったら、教頭先生に、頼まれて、断り切れずに、きたんやわ。」と言う。
 
               「いやーー、ワシも、浪人中なので、電報もろうて、来たとこやがな。」
 
 
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                      【馬は、輸入種の背丈の高い馬のようである。】
 
 
        「今日は、軍事演習とは、おもしろそうやのー。」と清水は、わくわくしているようであった。
 
        そうしているうちに、後輩たちが、担任の先生と一緒に、教室からぞろぞろ出てきた、
 
 
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       【馬車の拡大写真 現在のトラックと違い、当時は、こういう馬車が、運搬の主役であった。】
 
       
 
  肝心の校長先生と、教頭先生と、その他の先生がなかなか職員室から出てこない、校庭に出てきた教師の
 
一人に、「先生、教頭先生に頼まれて来たのですが、わしらーどうしたらよろしいでしょうか。」
 
と聞くと、「朝礼台に向かって、右から、い、ろ、は、--の順でならぶので、1番左の列に並んでほしい。」と言
 
われて、その指示通りに、校庭にみんなとならんだのであった。
 
【次回に続く。】