第162回 昭和の伝道師【戦中、戦後のパイロットの物語です。】

第161回   小銃の返納。                          2012年7月20日  金曜日の投稿です。
 
服部少尉から、引き金の整備不足を指摘され、再度手入れのやり直しを行って、銃身の先から、銃床の尻まで、
 
丁寧に拭き取りをして、もうー手入れをするところは、ないわーと言うくらい、丁寧に磨いたのであった。
 
 
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               泥も、ホコリもついていないし、大丈夫と思って、手を上げたのであった。
 
               服部少尉が、こちらに歩いてきて、小銃をためつすがめつ見て、「よろしい。」
 
              「あちらの、籏屋二等兵を小銃を渡すように。」と、指示を受け、二等兵に、30年式
 
              小銃を手渡したのであった。
 
              二等兵は、小銃を大切そうに、木箱の中に、おいたのであった。
 
              自分は、校庭の列に戻ったのであるが、数人の生徒が、なかなか、手入れで合格をもらえず、
 
              苦労しているようであった。
 
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  当時の30年式小銃には、菊の御紋が入れられ、天皇よりの預かり品として、大変丁重に、扱われていて、    
 
 傷でも入れば、大変であったと聞く。
 
     そうこうしているうちに、全員が、手入れで合格をもらって、校庭の列に整列した。
 
安藤大尉が、「明日は9時より、校内軍事演習を開始する。 各員、汚れても良い服装で臨むように。」と、
 
話しがあったのであったが、はてーー、演習二日目は軍医が着て、応急処置の実習ではなかったのかーーと、
 
思ったのであるが、汚れても良い服装というのが、ずいぶんと耳に引っかかったのであった。
 
安藤大尉が、「諸君、本日の訓練はこれまで、明日、指定の時間までに、各自集合のこと、散開。」と、
 
指示を出すと、みんなバラバラに校舎のほうに、歩き出したのであった。
 
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 鉄棒の場所に止めてあった、馬車には、手際よく、稽古台や、小銃の入った木箱が積み込まれ、帰隊の準備は
 
出来ているようであった。
 
安藤大尉は、校長先生たちに、敬礼すると、馬に乗馬して、馬車と一緒に校門から去っていったのであった。
 
【次回に続く。】